女子ボクシング元世界王者・山田真子 キックで電撃復帰

2014年12月10日 09時00分

ボクシング、キックで世界ベルトを手にした山田真子

 今年2月にWBO世界女子ミニフライ級王座のタイトルを手にしながら、5月に突如引退した福岡県出身の山田真子(20)がキックボクサーとして電撃復帰。14日の「NEO GENERATION STIR」(福岡・宗像ユリックス)に出場する。2年ぶりにキックの舞台に立つ山田に現在の心境と今後について直撃した。

 姉・紗暉(22)とともに2012年、日本初の女性プロボクサーとしてデビューして一躍注目を浴びた山田は順調にキャリアを重ね、今年2月9日、韓国でホン・スユン(27)を破り、WBO女子ミニフライ級王者に輝いた。

 ところが、5月31日に「一身上の都合」として突如引退届を提出。ボクシング界から身を引いてしまった。

「チャンピオンになったことで周りも変わってくるし。私自身ももともと、自分が不利な立場で周りから絶対負けるだろうと思われている状況のほうが燃える性格なんです」

 頂点に立ち、一種の「やりきった感」を味わったことでボクシング界への未練もなくなったという。その後は、とくに目標もなく、バイトしたり取得したての運転免許で遊びに行ったりと自由な日々を過ごした。

 その中で次のステップ移行を決意させたのが、7月27日に行われた新世代格闘技イベント「NEO GENERATION STIR」大会だった。

「招待してもらって見に行ったらすごく楽しそうで。設備もいいし、選手も楽しんでいた。自分も出たいなと思ったんです。見に行けばわかりますが、キックはすごく華やかなんです」。観戦直後、本格的なトレーニングを再開した。

 そもそも格闘家としてのキャリアのほとんどはキックボクサーだ。小学校1年生の時に紗暉の姿を見てキックボクシングを始めた山田は2010年5月、プロデビュー。同年12月にはJ—GIRLSアトム級王座に輝いた。

 キックは団体が乱立しており、より自分の力を試すために団体数が限定されたボクシングに転向。そこでトップに立った以上、キックに戻ってくるのは当然の帰結だった。

 ボクシングとキックボクシングは相手との距離の取り方など技術面が大きく異なる。2年ぶりの復帰に向け父・記義(のりよし)さん(46)と個人ジムで練習をしながら、実戦感覚を取り戻すべく他のジムへ稽古にも出向いた。

「見に来てくれた人に『落ちたね』と言われないように仕上げて、必ず勝ちたい」と復帰戦への意気込みを述べた山田はそのあとに「けど、楽しんでやりたいですね」と付け加えた。

 現時点での今後の展望も「今までは周りの期待があるからプレッシャーがあって追い詰められている感じもしたけど、好きなことだから楽しくやらないと、嫌いになってしまう。あえて目標は持たず楽しくやろうと思っています」。楽しんだ結果の勝利、その先に次の道が見えてきそうだ。

☆やまだ・まこ=1994年5月26日生まれ、福岡県糸島市出身。小学1年生でキックボクシングを始め、2010年J—GIRLSアトム級王者。12年、プロボクサーに転向し、14年プロ7戦目でWBO女子ミニフライ級王者になるも同年ボクシング引退。好きな食べ物は野菜とフルーツ、苦手な食べ物は白米。右利き。