新型コロナウイルスの急速な感染拡大で、テレビ界は一部番組で非常事態が生じている。

 月~金曜早朝のフジテレビ系情報番組「めざましテレビ」は21日、司会者らの出演を見合わせ。冒頭、三宅正治、井上清華、生田竜聖の3アナウンサーの姿はなく、土曜日放送「めざましどようび」レギュラーの佐野瑞樹、久慈暁子両アナらが代役を務めた。

 佐野アナは「木曜日に出演しているHey!Say!JUMPの伊野尾慧さんが新型コロナウイルスに感染したと所属事務所が発表しました。本日のめざましテレビは、きのう伊野尾さんと接触した出演者はお休みし、めざましどようびのメンバーを中心に放送いたします。来週以降についてはまた、改めてお伝えします」と説明した。

 20日にジャニーズ事務所が伊野尾ら所属タレント5人の感染を明らかにした。「めざまし」木曜レギュラーの伊野尾は一昨年も8月にコロナ感染で同番組を休んでいる。感染防止のため司会陣が2班体制となり、「どようび」の久慈、佐野両アナが金曜日の司会を務めていた。

 朝の情報番組では、TBS「ラヴィット!」も緊急事態に陥った。21日はお笑いコンビの東京ホテイソンに代わってカミナリが出演。20日も出演者5組のうち4組が代打出演だった。同日については、木曜レギュラーの横田真悠とお笑いコンビ・ニューヨークの嶋佐和也が感染し、濃厚接触者となった同コンビの屋敷裕政とともに休んだ。NON STYLE・石田明も休演した。

 司会の川島明はこの事態を映画「メジャーリーグ」にたとえていたが、21日の放送直前には前時間帯番組キャスターの香川照之に、この件で言葉をかけられると、「代打の方が結構ホームラン打ってくれるので助かっています」と語る一幕もあった。

「他局との差別化で、ラヴィットはバラエティー路線を徹底している。どうしても出演者の数が多く、結果的に感染リスクも高くなってしまっている。最近はバラエティー路線が支持され始めていたのですが…」とTBS関係者は頭を抱える。

 両番組に限らず、感染者急増はエンタメ界を直撃。ジャニーズでは若手タレント出演舞台の一部公演が中止になり、歌舞伎では市川海老蔵企画の舞台も公演中止に。影響が広がっている。