「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(NHK党)の立花孝志党首(54)は2022年、試練の年を迎える。自身の刑事裁判と党存亡がかかる参院選の二大決戦が控えているからだ。

「参院選はふざけない。まじめにNHK問題だけでなく、外交・安全保障問題も訴える」と立花氏は真顔で話す。21年は党名を4度変更。中には人気アイドルグループ「嵐」に引っ掛け、「嵐の党」にも変えたが、わずか1か月で変更したこともあった。

 また参院山口補選には元迷惑系ユーチューバーのへずまりゅう、衆院選には〝少年革命家〟でユーチューバーのゆたぼんの父親・中村幸也氏やビジュアル系バンド「ジャックケイパー」のYGこと矢島秀平氏らを擁立し、話題を振りまいたものの効果的な得票にはつながらなかった。

 立花氏はこれまで、ユーチューブを主軸にお金のかからないネット選挙を実践してきたが、衆院選で改めてテレビの力を思い知らされたという。参院選では全選挙区に候補者を擁立すると同時にポスターを全掲示場に張り、街宣車を各選挙区に配置するドブ板選挙に方針を転換し、3億円以上の巨額を投じる考えでいる。

 NHK党は2019年年の参院選で国政政党となり、2025年まで権利を有するが、来年の参院選で再び2%以上の得票を得れば、28年まで延長となる。25年の参院選で、国政政党の要件が得られない事態を避けるために来年の同選で、大勝負に出るというワケだ。

 一方、参院選の前には刑事裁判のジャッジも迫る。2019年にNHKへの不正競争防止法違反及び威力業務妨害の罪と元NHK党の中央区議を脅迫した罪に問われ、1月20日に地裁の判決が出る。

 検察の求刑は懲役2年6月で、有罪判決でも執行猶予が付く可能性が高いが、そのダメージは計り知れない。立花氏は「有罪なら最高裁まで争う」と徹底抗戦の構えを見せており、22年も騒がしい年となりそうだ。