8日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)での女性&ボクシング蔑視発言が炎上した張本勲氏(81)が15日、同番組に生出演して謝罪した。とはいえ、謝罪文を読み上げたのはフリーアナウンサーの唐橋ユミ(46)。張本氏は約5秒間にわたって短く謝っただけで終わり、またまた批判を集めている。番組サイドはなぜこのような大炎上必至の悪手を打たざるをえなかったのか?


 張本氏はサンモニで、東京五輪ボクシング女子フェザー級で入江聖奈が金メダルを獲得したことに、「女性でも殴り合いが好きな人がいるんだね」などとコメントし、批判が殺到。日本ボクシング連盟からも抗議文が届き、12日に番組プロデューサーとともに謝罪コメントを出す騒動に発展していた。

 注目の15日放送のサンモニでは、メインMCの関口宏が「おわびしなければなりません」と切り出すと、唐橋アナが謝罪コメントを読み上げた。続けて関口は「私も会話の途中でも間違いを正せばよかったかということを反省させられました」と述べた。

 これを受け、リモート出演の張本氏は「今回は言い方を間違えて反省してます。以後、気を付けます」と5秒にわたって話し、一応反省の姿勢を見せた。

 あまりにも形ばかりの謝罪に、世間だけではなく身内からも批判が出る事態に。張本氏と因縁があるジャーナリストの江川紹子氏も「軽いな~。番組としては、あの張本氏になんとか『反省』という言葉を言ってもらいましたー、だからもう忘れてちょ、ということでしょう」とツイート。

 さらにこの日、番組に出演したフォトジャーナリストの安田菜津紀氏も、唐橋アナが読み上げた謝罪コメントの中に「女性及びボクシング競技を蔑視したと受けとられかねない部分があり」という一文があったことに、「張本さんの発言を『蔑視と〝受け取られかねない〟』ものと表現されたこと、それを女性のキャスターの方が伝える形をとったことは、再発防止にはつながりえないものだと私は考えます」と怒りのツイートをした。

 ちょっと想像力を働かせれば、こんな謝罪で許されないというのは分かるはず。「にもかかわらず張本さんの生謝罪がこんなに短く済まされたのは、下手に長くしゃべらせると墓穴を掘りかねなかったから」(TBS関係者)

 そもそも張本氏には本当にあの発言に問題があり反省すべきだ、という認識があるのか疑わしい。だからこそ長く話させると、開き直りかねない――それを危惧して、番組スタッフは〝5秒謝罪〟で幕引きを図ろうとしたのだ。

 その兆候は、ボクシング連盟に謝罪文を提出する時からあった。その中で、張本氏は「入江選手の快挙を称えるとともに、自分も金メダルを取れるのではと思って、ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです。言葉足らずで反省しています」と釈明。8日の発言とは真逆のことを言い出し、またまた日本中からツッコミが入っていた。

 このような支離滅裂な文章となったのも、張本氏の主張があったからだ。「そもそも東京五輪組織委員会の会長を辞任した森喜朗氏と同じで、張本さんが本当に問題を理解しているか大いに疑問。謝罪文の作成にあたっても、本来ならストレートに謝罪すべきだったが、張本さんの意向で、言い訳がましいおかしな内容になってしまった」(前同)

 燃え上がった炎は鎮火どころか、ますますその勢いを強めている。