過労による静養を経て退院した東京都の小池百合子知事が1日、都の新型コロナウイルス感染状況を分析するモニタリング会議に自宅からオンラインで出席し、9日ぶりに公務復帰した。マスクと防災服姿で画面越しに「徐々に体調を取り戻している。当面はテレワークで公務をしていく」と述べた。

 小池氏は「コロナ対策のまっただ中で離れることになった。迷惑を掛けて申し訳ない」と謝罪。声がかすれたり、苦しそうに話したりする場面もあった。

 先月22日に体調不良を訴えて都内の病院に入院し、都が同30日に退院を発表していた。職務代行の多羅尾光睦副知事ら幹部とは電話などでやりとりしていたという。会議後に取材に応じた多羅尾氏は小池氏の体調に関し「かなり回復している」と説明した。

 現在、都議会議員選挙(4日投開票)の真っ最中。小池氏は与党・都民ファーストの会の“生みの親”だが、公務をテレワークでやると宣言した以上、そう簡単に演説に顔を出すわけにはいかない。今後の都政への思惑から、自民・公明を敵に回すことを避けるため、都民ファ候補の応援演説には及び腰との観測も絶えない。

 そんな弱り目の都民ファに対し、立憲民主党代表代行の蓮舫氏が1日、大田区選挙区(定数7)から出馬した“筆談ホステス”斉藤りえ氏の応援の場で批判した。

 都民ファが五輪の無観客開催を公約にしたことに蓮舫氏は「都民ファは都議会第1党です。党首は小池知事です。与党が提案して知事がうなずけば、数の力で(五輪中止が)通ったでしょう。それをやらないで選挙公約で無観客…自分たちが仕事をしてこなかった証しだと言わざるを得ません」と訴えた。都民ファの代表は荒木千陽氏だが、特別顧問の小池氏が事実上の党首とも言える。党の顔である小池氏が不在のままでは、他党にやられっぱなしだ。小池氏は3日までに応援演説で、他党に反論するのか…。