フジだけじゃない!キー局〝外資浸食〟の恐怖「意に反する番組作らせない」

2021年04月07日 11時30分

ピンチのフジテレビ

 フジテレビを子会社に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)が放送法の外資規制に違反していた疑いがある問題で、武田良太総務相は6日、すべてのテレビ、ラジオ局に法令順守の確認を要請した。テレビ局はどこまで外国資本に“乗っ取られている”のか――。

 放送法では、放送局は外国資本の議決権比率を20%未満にするよう定めている。民放各局は19・9%以内を保つため、株主名簿への外国人の名義書き換えを拒否することで対応してきた。フジ・メディアHDは、2012年に関連会社を完全子会社化した際に計算上の凡ミスを犯したとみられる。

 本来は議決権から差し引くべきだった同子会社の持ち分を控除せず、議決権に算入。これにより12年9月末から14年3月末まで外資比率は20%未満としていたが、実は20%以上だった疑いがあることが今回発覚した。

 武田総務相は6日の会見で、「全ての認定放送持ち株会社と基幹放送事業者に文書を出し、順守状況の確認を要請する」との方針を明らかにした。外資規制を巡っては、東北新社が出資比率20%以上の違法状態で衛星放送事業の認定を受けていたことが発覚。総務省は先月26日、一部事業の認定を5月1日付で取り消すことを決めたばかりだ。

 武田氏はフジ・メディアHDの事案を徹底的に調査するとし「事実なら重く受け止め、再発防止に取り組む」と述べた。

 野党側はフジサンケイグループの日枝久代表とフジ・メディアHDの金光修社長の国会招致を要求し、「放送免許を取り消すべき」と徹底追及する構えだが、武田氏は認定を取り消す可能性には「事実関係を掌握していない」としてコメントを避けた。経済評論家の渡辺哲也氏はこう指摘する。

「フジ・メディアHDは上場企業なのに放送法違反を知っておきながら公表せず、IR(投資家向けの広報活動)でも証券取引法でも問題がある。東北新社は同様の問題で放送免許の取り消しとなっただけに、法の下の平等で、フジ・メディアHDも放送免許取り消し処分としなければならないが、社会的影響が大き過ぎるとあって、政府も総務省も困っている」と東北新社への見せしめともいえる前例によって対応に苦慮している状況だ。

 一方で、在京民放キー局が外国資本に“侵食”されている実態が改めて浮き彫りになっている。証券保管振替機構によれば、持ち株会社(ホールディングス=親会社)における外国人の株式直接保有比率はフジテレビが約32%、日本テレビが約24%、TBSが約14%、テレビ朝日が約12%、テレビ東京が約6%となっている。

 かねて外資に“乗っ取られている”との懸念があるが、「外国資本の出資比率が高くても結局、株主総会で影響力を出すか出さないかの話で、放送法で20%以内に抑えられていて、外国人が経営に何かしらの影響を発揮した話はない」(渡辺氏)。

 フジの32%は突出しているが、むしろ問題なのはテレビ離れにより、放送事業が壊滅的状況に陥っており、“直接介入”がしやすくなっていることだ。

「外国資本の影響は、株式の保有よりも番組スポンサーとなって、意に反する番組を作らせない、自社に都合の良いCMを流させる方が怖い。放映権料が安価になっている中で、そちらの方の影響が大きくなっている」と渡辺氏は指摘した。

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