「戦時中に逆戻りか!」JASRACを訴えたロック歌手の言い分

2020年11月18日 11時50分

ライブができないのは死活問題だ(写真はイメージ)

 楽曲の使用許諾をJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)に拒否され、2016年に予定通りにライブを開催できなかったとして、のぶよしじゅんこ、「VAN HEYSAN」、「T.O.Y.S」の3人が、JASRACに対して合計390万5210円の損害賠償を求めた裁判の原告証人尋問が先日、東京地裁で行われた。

 原告の3人は憲法21条が保障する演奏の自由、正当な理由がなければ著作物の利用の許諾を拒んではならないと定めた著作権等管理事業者法16条に違反すると主張。

 一方のJASRACは、著作権使用料を巡って係争中だったファンキー末吉氏経営の店「Live Bar X.Y.Z→A」に出演していた原告を店と一体と見なしたことを正当理由として反論している。

「町内会でみこしを担いだら皆グルか? 日本は自由な国だと思った。まさか戦時中に逆戻りか」と「T.O.Y.S」は怒りを証言台で述べた。

 JASRACの使用許諾拒否の「デサフィナード事件」も担当した豊田泰史弁護士は本紙に「JASRACは係争中の店舗を締め上げるかのように、ミュージシャンが個別に許諾を求めても受け付けを拒否する。このやり方は著作権等管理事業法16条に違反し、わが国の音楽文化の発展を阻害している」と話す。

 また、海外のスラッシュメタルバンドの楽曲をカバーしていた「T.O.Y.S」は証言台で「オバキュー」とシャウトした。許諾を拒まれ、別の楽曲を演奏したにもかかわらず、海外のスラッシュメタル楽曲「オーバーキル」を不正に演奏したとのJASRAC側から反論があったので、「オーバーキル」とは似て非なる「オバキュー」というインストゥルメンタル楽曲だと分かりやすく説明するためにシャウトするしかなかったようだ。

 JASRAC側は調査員がライブに観客として潜入し録音したことを準備書面に記載。同様の事実は、のぶよしじゅんこに対する審理でもあった。これらを含め、裁判所がどう判断するかが注目される。

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