イケメンで、若いころから映画やドラマで活躍――。誰もがうらやむ存在だった俳優の三浦春馬さんが30歳の若さで亡くなった。

 この世を去って初めてわかったのは壮絶な生い立ちだ。生前は華やかな部分ばかりにスポットライトが当たっていたが、次々と浮かび上がる〝悲しい過去〟に、ファンも涙している。

 三浦さんは4歳の時に子役劇団に入団し、1997年のNHK連続テレビ小説「あぐり」で子役としてデビュー。2007年の映画「恋空」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞してブレーク。その後の活躍は日本中の人たちが知るところだ。

 経歴だけ見るとまさに〝順風満帆〟の一言に尽きるが、見えないところでは苦労を重ねていた。「三浦さんの両親は小学生のころに離婚しています。後に母親は再婚し、継父と3人で暮らしていました。母親は奔放な人で、三浦さんが俳優として成功を収めてからは、彼が母親を金銭的に支えている部分がありました」と芸能関係者。

 繊細な性格で、19歳のころには引退を考えるほど精神的に追い込まれたこともあった。地元・茨城で農業に〝転職〟することを決意したのだが、結果的には俳優を続けた。「決意を撤回する上で、母親の存在があったようです。母親は息子が俳優として成功することを願っていましたから。そのためにスピリチュアルな世界に傾倒した時期もあったそうです」(前同)

 その母親は再婚した継父とはすでに離婚していると言われる。三浦さんは母親が別れたあとも継父と良好な関係を築いていたという。

 ワイドショー関係者は「家族がバラバラにならないよう、全方位に気を使っていたのだろう。先輩俳優の小栗旬さんは三浦さんのことを『優しすぎる』と形容していたが、その通りだと思う」と話す。

 幼少期に家を出て行った実父に対しても、三浦さんは優しかった。文春オンラインによると、約2年前に対面が実現。実父が心臓手術を受ける前に対面を望み、三浦さんもすぐに駆け付けたのだという。それからは定期的に食事をする関係になったという。

 華やかな世界で活躍する三浦さんはそうした〝気苦労〟を一切見せなかった。ネット上では「こんな壮絶な生い立ちだったとは…」「泣けてくる」「自分一人で背負っていたのか」と悲痛な声が上がっている。