出演していた恋愛リアリティー番組「テラスハウス」(フジテレビ系=打ち切り、ネットフリックス=新規配信停止)での言動からSNSなどで誹謗中傷され、女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が急死したことが社会問題となる中、かつて“ネットいじめ”に遭った料理研究家・園山真希絵(42)が、そのつらい経験を本紙に明かした。2006年に「V6」長野博(47)との交際をキャッチされ、12年には俳優Xに二股をかけられたことでも話題になった。その裏ではネットで始まった誹謗中傷が、身の回りや実家にまで迫るほどエスカレートしたという。

 ネットでの攻撃は長野との交際が報道されたころからあったが、ヒドくなったのは園山とモデル・冨永愛(37)に対し、Xが二股をかけた騒動から。某人気トーク番組に出演後、園山のブログに突然「死ね」「本気で殺す」といったコメントが何百件も投稿された。

 怖くなった園山は管理スタッフに連絡し、すぐコメント欄を閉鎖してもらったが…。

「すると今度は、当時私が経営していた店に、コメント欄とソックリな恐ろしい脅迫がファクスでたくさん送られてきました。宅配で届いた荷物を開けると、腐った肉や魚、カビの生えた食パンやケーキ、トマト、また子猫やカラス、ネズミの死骸など。腐敗臭もキツイものが入っていたり…」

 また園山の名を勝手に名乗る人物による詐欺が起き、自身も知らない人物からの詐欺被害に。さらには気味の悪い内容のメールが5分おきに届くという、ストーカー行為もあった。

 一部のウェブメディアには全く身に覚えのないフェイクニュースが掲載され、「売名行為」といったネットバッシングに輪を掛けた。悪夢のような日々を本人が振り返る。

「近しい人に相談したら“私のそばにいると危ない”と思われるから、一切言えませんでした。警察に相談しても『あまり出歩かないでください。そして何もないように穏やかに過ごしてください』と言われる程度。誰を頼っていいのか分からない中、作ってもいない変な料理が私の料理としてネットに投稿され、それを見た人たちが面白がってさらに変な料理を作り、どんどんエスカレート。私のイメージは最悪になりました」

 周りからは「ほったらかしにするのが一番」と言われたが、そうしてもネット上に残る名誉毀損は一向に消えない。フェイクニュースを真に受ける人も多く、さまざまな仕事を切られたという。

 プロデュース商品や自身の店も、食べたことのない人、来たことのない人によるデタラメな投稿が相次ぎ「続けていく気力もうせたので、不本意ながら店も閉めることにしました」。

 それでも陰湿な嫌がらせはまだ続く。ある高視聴率番組で、面識もない出演者が、あたかも園山を知っているかのように事実ではない話をしていた。するとブログのコメント欄には脅迫めいた書き込みが再燃。「精神的にまいった」ところに追い打ちをかけるように、当時住んでいたマンションが割り出され、宅配ボックスには不審物が届き、引っ越しを余儀なくされた。

 迷惑行為や嫌がらせ、誹謗中傷は、実家で暮らす家族にまで及んだ。心底困り果てた園山は「今もなお、被害が時々あるので深刻に悩んでます」と言う。

「メンタルが強くないと、とっくに生きてないと思うほど、何年もつらく苦しい目に遭ってきました。嫌がらせの張本人が誰なのか分からない中で生きていくのは怖いですが、ここで負けてはいられないと強い意志を持ち、一日も早く悪質な人たちが淘汰され、心優しい人だけの地球になることを祈るばかりです」

 木村さんの死を受けて国会でもようやく、悪質なネット書き込みの発信者情報を迅速に開示できる法整備に動きだした。園山は「お願いだから、まずは大好きな日本から生まれ変わってほしい」と切に訴えた。