ゴーン逃亡映画に疑問 クライマックスがショボすぎ「駄作になる」映画関係者がダメ出し

2020年01月19日 11時00分

逃亡劇の映画化を目指すゴーン被告(ロイター)

 映画化は難しい!? 金融商品取引法違反などの罪で起訴され、保釈中にレバノンへ逃亡した前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65)はフランス誌の取材に逃亡劇には日本人の協力者がいたことをほのめかすなど、徐々に詳細を語り始めようとしている。情報を小出しにすることで、自身に関心を集めるゴーン流の宣伝術ともいえ、その先にあるのは映画化だ。ただ、映画関係者からは「相当な“駄作”になる」と厳しい声が上がっている。

 ゴーン被告は先日、米CBSテレビのインタビューに対し、噂されていた自身の逃亡劇の映画化について言及した。「ハリウッド関係者からのアプローチはあったのか」と問われ、ゴーン被告は「イエス」と答え、さらに「映画化は実現しそうなのか」と聞かれ「当然あるでしょう」と明言した。

 本紙でも既報したように、ゴーン被告は逃亡前の昨年12月、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ジョン・レッシャー氏を招き、自身の逮捕、逃亡劇を描く映画の構想を話し合ったという。今回、改めて映画化について明言した格好だ。

 だが、映画関係者は「ホントに映画にできるのか?」と疑いの目を向ける。その理由は「映画にした場合、クライマックスは当然、日本からの脱出劇になりますよね。でもそれが、あまりにもショボすぎる。危うく『捕まるかも?』というハラハラドキドキする展開はゼロ。盛り上がるところが全くないから、映画にしても面白くない」というものだ。

 ゴーン被告のレバノンへの逃亡劇は、昨年12月29日から30日にかけてのこと。午後2時半ごろに東京・港区にある保釈中の住居を出て、ホテルで男性2人と合流。同4時半ごろに品川駅から東海道新幹線に乗ったとみられる。

 新幹線で同7時すぎに新大阪駅に着くと、そこからタクシーで関西国際空港に向かい、近くのホテルで降車。同10時ごろに音響機器用の箱に入ったゴーン被告を男性2人が運んで関空へ行き、そのままプライベートジェットに乗って出国。翌30日午前5時ごろにトルコ・イスタンブールに到着し、その後レバノン入りした。

「帰省ラッシュのピークである年末の29日に新幹線に乗っている描写はおもしろいと言えばおもしろいけど、別に怪しまれることもなかった。他の乗客は、たとえゴーン被告に気付いたとしても『そうか、保釈中なんだ』と思うくらいで特に怪しまないからね。そのうえ新大阪からはタクシーで関空に行くって、年末年始を海外で過ごす金持ちにはよくある光景でしかない。映画にならないでしょ?」(同)

 クライマックスは、やはり音響機器用の箱に入っての出国ということになるが…。

「何事もなく荷物として普通に積まれてしまった。日本の空港の、プライベートジェットに対するセキュリティーの甘さが指摘されるだけで、映画としては何にも面白くない。こんなのをハリウッドで映画化するプロデューサーがいるとはとても思えないですよ」(同)

 ゴーン被告は、日本の司法制度の不公平さを訴えるため、自身の逃亡劇を映画にしたいようだが、「保釈をなかなか認めないとか、家族と会えない描写だけでは、ドキュメンタリー映画としても厳しい。フィクションとして、逃亡劇をスリルのあるようなシナリオに書き換える手もあるが、それではリアリティーがなくなる。ただのコメディーにするのは本意ではないでしょう」(同)

 仏誌の取材に対して、ゴーン被告は数か月前から準備していたのではなく、短期間で計画、実行に移したほか、日本人の協力者もいたことも示唆した。それでも逃亡劇がここまでつまらなければ、盛り上がりには欠ける。

「同じ逃亡劇ならむしろ、2018年8月に大阪府警富田林署の留置場から逃走し、自転車で日本縦断する旅人になりすまして49日間も逃走した事件があったが、そっちの映画の方がまだマシでは?」(同)

 ゴーン被告の逃亡劇は、ホントに映画化されるのか?