参議院議員の音喜多駿氏(36)が20日、自身のブイログ(ユーチューブ動画)を公開し、萌えキャラを起用した日本赤十字社の献血キャンペーン問題に言及。反対派を「信じがたいダブルスタンダード」「偽善者」と批判した。

 騒動になっているのは東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城の1都6県で実施されている人気漫画「宇崎ちゃんは遊びたい!」とコラボした献血PRキャンペーン。萌えキャラ・宇崎ちゃんが「センパイ! まだ献血未経験なんスか? ひょっとして……注射が怖いんスか~?」と呼びかけるポスターを掲示。献血参加者に特製クリアファイルなどをプレゼントするもの。

 同キャンペーンのポスターを見かけた外国人がツイッターで非難。テレビに出演経験のある女性弁護士が、引用し「本当に無神経だと思います」とバッサリ。「なんであえてこういうイラストなのか、もう麻痺してるんでしょうけど公共空間で環境型セクハラしてるようなものですよ」とつぶやいた(現在は削除)ことで拡散。「環境型セクハラ」という語句を使った弁護士が、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」を支持する意向であることから「表現の自由論争」にまで発展。ネットで賛否の声が飛び交う騒動となっている。

 大きい胸が強調されたイラストについて「性的であるとか、女性を不適切に扱っているとか、感じ方は様々」という音喜多氏。「不適切なものはやめるべきだというポリシーがあるならば、私は共感しませんが、そういう(反対、批判)のもありだと思います」と理解を示す音喜多氏。ただ、表現の自由は守られるべきと主張してきた弁護士・社会学者・フェミニストが今回のコラボキャンペーンを反対することに「何を言ってんだ。論外」バッサリ。さらに「女性蔑視だとか、自分の気にくわないものには平然とクレームいれるなんて、信じがたいダブルスタンダード」と斬り捨てた。

 音喜多氏が危惧するのは「私(反対派)が気にくわない表現は抗議を入れたら潰せることが日常化し慣例になって、世の中がどんどん表現できなくなってしまう」こと。また「権力者が選別できるようになったら、おそらく独裁の道にいってしまう」「いい表現、悪い表現を線引きして、誰かがフタをするようなことをしてはいけないというのは、民主主義を守る上で一番大事なことなんです」と力を込めた。

 ダブルスタンダードの主張を「不誠実でナンセンス」「こういう人たちは偽善者」と言い切る音喜多氏は「あいちトリエンナーレの問題は国会の審議を通じて、表現の自由を守っていきたい」と締めくくった。