【石田千穂インタビュー前編】瀬戸内を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」が、13日に8thシングル「花は誰のもの?」をリリースした。「もしこの世界から、国境が消えたら」から始まる歌詞は瀬戸内、そして広島をベースに活動してきたSTU48が歌う、平和を願うメッセージソングだ。センターの1人で広島県出身の石田千穂(20)は「何かが届けばいいな」と、新曲に込めた思いを明かした。

 ――歌詞は「もしこの世界から 国境が消えたら 争うことなんかなくなるのに」から始まる

 石田 今の時代、アイドルの私たちだからこそ歌える歌詞というか、私自身も平和について改めて考えました。聴いてくださった方にも何か考えるきっかけになったらいいなと思います。私は広島県出身ですし、小さなころから授業でも戦争のことを習ってきました。うまくは言えないんですけど…。普段はアイドルの曲を聴かない方にも何かが届けばいいなと思います。

 ――新曲を主題歌にした30分を超えるミュージックビデオ(MV)も話題に。青春を奪われてしまった高校生たちが心の葛藤を乗り越えていく様を描いたドラマで、コロナ禍で合唱コンクールが延期になり悔し涙を流す姿は実際のアイドル活動とリンクする部分も

 石田 私たちもまったく家から出ずに、ライブできない時期があって。握手会もなくなったから、心にぽっかり穴が空いた感じとか、どうしたらいいんだろうと悩んだ気持ちも思い出しながら、そのシーンは演じました。私たちも悔しかったですし、ファンの方が悲しむ声も聞いていた。コロナ禍では私たちだけじゃなくて、みなさんが我慢することやできなかったことがたくさんあると思うので、いろんな思いでMVを見ていただけたらと思います。

 ――新曲は「トライアングルセンター」として石田さん、瀧野由美子さん、中村舞さんの3人がセンターを務める

 石田 今回は(AKB48の)岡田奈々さんがSTU48との兼任を解除された後に出す、STU48にとっては〝第2章〟となるシングル。そこでまたセンターに立たせていただけてすごくうれしいですし、これからのグループを引っ張っていきたいと改めて思います。

 ――3人のセンターが発表された際、広島の戦国武将・毛利元就の「3本の矢の教え」に例えられていた

 石田 毛利元就さんの1本の矢だと折れやすいけど、3本なら頑丈になるという言葉は本当にその通りだなと思っていて。3人だと心強いなと思いますし、場所ごとにセンターが変わると曲の印象も変わるので、変化を楽しんでもらえたらと思います。

 ☆いしだ・ちほ 2002年3月17日生まれ、広島県出身。2017年3月にSTU48の1期生として加入。デビューシングル「暗闇」(18年1月)から全シングルで選抜入り。6thシングル「独り言で語るくらいなら」(21年2月)で初センターに抜てき。最新シングル「花は誰のもの?」で2度目のセンターを務める。20年1月に初のソロコンサートを開催。同年12月には1st写真集「檸檬の季節」を発売した。