アイドルグループ「SKE48」の浅井裕華(15)が人気急上昇だ。新曲「FRUSTRATION」で選抜メンバーに初めて抜てきされ、高校1年生のフレッシュメンバーが新しい風を送り込んでいる。アイドルとして全力投球中の浅井にとって大きな刺激となっているのが、漫画家である姉の存在だという。

 浅井は2015年3月、11歳でSKE48第7期生オーディションに合格。アイドルを目指すきっかけとなったのは、母方の従姉妹にあたる元SKE(14年にAKBに移籍、17年に卒業)の木崎ゆりあ(23)の活躍だった。

「10歳のときにナゴヤドームで行われたSKEのコンサートを、ゆりちゃん(木崎)の家族と私の家族で見に行ったんです。ナゴヤドームという大舞台でメンバーが一生懸命歌って踊る姿にめちゃめちゃ感動して。“かっこいいな”と思っていたら、いきなりゆりちゃんのソロ曲が始まって。一人であんなに大きなステージに立って歌っている。ものすごい『ゆりあ』コールに、客席の一体感。身近に感じていた従姉妹がこんなにすごいステージに立っていたんだということにビックリして。そこから私もアイドルになりたいと思うようになりました。SKEのオーディションは母が勝手に応募したんですが、私もSKEに入りたかったのでうれしかったです」

 浅井がSKEに入った15年に、3歳上の姉は小学館が主催する漫画の新人賞を受賞。ときわ藍(らん)のペンネームで漫画家デビューを果たした。中学生で漫画家となった姉と小学生でアイドルになった妹。職業は違っても、同じプロフェッショナルとして互いに励まし支え合ってきた。

「姉は小さいころからずっと絵を描いてました。『ドラえもん』が大好きで、藤子・F・不二雄先生の作品が家には大量にあって、それをまねして描いていたんですけど、まさか漫画家になるとは。姉とは同じ部屋で私は2段ベッドの上で寝ていて、ベッドの下が姉の作業場所になっているんです。私が寝ているときも下で作業をしていて、ずっと起きている。今度、漫画雑誌『ちゃお』(小学館)で連載が始まるのですが、一人でほぼ全部やっているのですごいなと思います。大変そうですよね。朝起きたら、ドラマに出てくる漫画家のように作業をしながら、そのまま寝ちゃってることもあります。SKEの活動で私は夜遅かったり、朝早かったり不定期なんですが、姉は私のことを気遣ってくれて、疲れているときはそっとしといてくれる。恥ずかしくて直接は言えないですけど、いつも一生懸命(漫画に)打ち込んでいる姿を見ているので、本当に頑張ってほしいし、私も頑張らなきゃと思いますね」

 目標の選抜メンバーとなった浅井だが、テレビで新曲を披露したのは冠バラエティー番組「SKE48のバズらせます!!」(東海テレビ)の1回だけ。選抜最年少の15歳は、この現状に危機感を募らせている。

「私がファンとしてテレビでSKEを見ていたころは、ミュージックステーション(テレビ朝日)だったり、いろいろな歌番組に引っ張りだこで、そこに出るのが選抜メンバーというイメージがありました。今回せっかく選抜メンバーに選んでいただいたのに、新曲を披露する機会が少ないことは悲しいなって…。現実を見せられている感じがします。それはメンバーの責任でもあると思うので、変えていかなければいけないことだなって思います。SKEが老若男女いろんな年代の人から愛されるグループになるように。そのためにも、私をきっかけにSKEを知ってもらえるような存在になりたいですね」

 浅井らSKE7期生は今年で5年目となる。同期の中にはグループからの卒業を選択するメンバーも出てくるようになった。そんな中で、高校生となり選抜メンバーとなったことで浅井の心境には大きな変化があったという。

「アイドルは大変なことも多いです。友達がお出かけしたりとか、学校生活を楽しんでいる中で、私はSKEの活動をしている。でも舞台に立っているとき、ファンの人の声援と共に踊ったり歌ったりして、自分がアイドルだと感じる瞬間に“SKEに入ってよかったな”と思うし、“これが私が憧れていた場所なんだな”って思うんです。楽しいです。だから私はSKEに青春をささげると決めてます。自分で選んだ道。最後までやり通したいですし、悔いなくやり切りたい。同期の中でも引っ張っていける存在になりたいです。今までは部活感覚でやっていた部分もあったかもしれない。でも高校生になってこれからが本番だと思うので。本格的に自分の職業として活動していかなきゃいけないと最近、感じています。ここからだなって。ここからが勝負だなって思います」