【ナゴヤドームのヒロインは君だ(12)】2度目の総選挙(6月16日のAKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙=ナゴヤドーム)挑戦で速報92位にランクインしたのが矢作有紀奈(23)だ。大学(歯学部)に復学するにあたって一時はグループからの卒業も考えたが、学業を優先しながらアイドル活動を続けることを決断した。「何より私、SKEのことが大好きなんです」。第2のホーム・名古屋で狙うのはAKBに所属する妹・萌夏(15)とのダブル当選だ。

 ――昨年はアイドル活動のため大学(歯学部)を休学していたが、現在は?

 矢作:復学しました。今は3年生です。まだそんなに実習はないのですが、私の大学は出席がすごく厳しくて…。頑張ってはいるんですけど、公演には出れない状態が続いてます。

 ――学校は週に何回?

 矢作:普通に週5日あります。平日にお仕事が入るときは学校の方を休んだり、お仕事を減らしていただいたりしてもらってます。でも(SKEの)活動ができるのは、ほぼ土、日だけですね。

 ――関東地方にある学校に通い、たまに名古屋に来て、すぐに東京へ戻っての繰り返し

 矢作:先日も学校でテストがあって、それとMVの撮影が重なったりして徹夜続きだったので大変でした。

 ――名古屋で借りていた部屋も引き払った

 矢作:ずっと借りるわけにもいかないなって。東京にいる時間の方が長いのでホテル暮らしの方が金銭的にも負担が少ないです。名古屋に来たときは同期の佐藤佳穂ちゃんや白雪希明ちゃんの家に泊めてもらうこともあります。

 ――医学系の大学だと1年間の休学費用だけで300万円ほどかかる

 矢作:復学した理由にはそれもあります。

 ――アイドルの給料だけでは休学費用をポンとは払えない

 矢作:それはやっぱり…。テレビにたくさん出るような人にならないと難しいと思います。

――SKEを辞めようと思ったことは

 矢作:復学しようか悩んでるころはすごく迷いました。でもSKE劇場支配人の湯浅さんに相談したら「公演に出れなければ人気は落ちるだろうし、仕事も来なくなるだろう。それでも新しい形で(グループ活動を)やっていけることを証明してみたら」と。(受験期間中のアイドル活動を休業した)後藤楽々さんもそうなんですけど、学業を優先する形でやってみようとなりました。他のグループなら速攻でクビにされてたと思うんですけど、湯浅支配人は柔軟な考え方でいろんな方法を提案してくれるのでありがたいです。

 ――学業を優先するようになって握手会に来るファンの数は変わった?

 矢作:うーん…。前よりは減ったと思いますね。あまり活動していないメンバーよりもいっぱい見えるメンバーを応援したくなる。そこは否めないですよね。「ああ、行っちゃったな」って。それでも付いてきてくださるファンの方もいっぱいいるので大事にしたいと思っています。

 ――今はSKEを辞めるつもりはない

 矢作:何とか両立できているので今はないです。(アイドルは)なろうと思ってなれる職業ではないし、せっかく入れてくださって、1年ぐらいで辞めるというのも…。ファンの方も結構ついてきてくださっているので裏切ることもできないし、一番いいのは両立だなって。イベントに出る回数は減っちゃうんですけど、それを許してくださるファンの方がついてくれるので、できる限り頑張りたいです。

 ――それだけSKEの活動は魅力がある

 矢作:3月31日に地元のさいたまスーパーアリーナで行われたコンサートに出演したときは「私って(ステージに)立てる人になったんだ」と感激しました。SKEのおかげで私は今ここに立ってるんだっていうのを改めて感じた。練習はつらいですけどコンサートが終わったときの快感は普通では味わえないです。

 ――学業との両立は大変だが、まだまだSKEを続けたい

 矢作:SKEのことが大好きなんです。団結力といいますか、メンバーみんなのSKEに対する愛が強い。コンサートのときも全員一丸となってやるし、すごくすてきなグループだと思います。私も、もっともっとSKEを愛する人になりたい。夏休みになれば学校もないので公演やいろんなイベントに出たいと思っています。

 ――2度目の総選挙の目標は

 矢作:本当は最初、立候補しないつもりだったんですよ。妹(萌夏)に託そうかなって。でも「今年は絶対入ろうね」って多くの方が言ってくださって…。「こんなに活動してきてないやつでも応援してくれてるんだ」って思ったら消極的な自分のことが申し訳なくなりました。それですごくヤル気が出てSNSでも発信するようになり、選対(ファンによる選挙対策委員会)もできて、今年は本気でやってみようと思いました。目標は100位以内です。活動も半分ぐらいしかできてませんが、でも名前を呼ばれたいです。

 ――妹は1月に行われた第3回AKB48グループドラフト会議で3チーム1巡目指名競合の末、AKBのチームKに入った期待の新人だ

 矢作:同じアイドルをやってる者しかわからないことを相談し合えるのでいいなと思ってます。昨日も自宅で「あーっ、このダンス難しいよね」とか「こうじゃない?」みたいな感じで2人で盛り上がってました。

 ――同じ48グループなので将来、ステージで共演する可能性もある。

 矢作:よく2人で「おしべとめしべと夜の蝶々」(AKB「最終ベルが鳴る」公演の楽曲)を一緒にやりたいねって言ってます。

 ――女性同士の禁断の恋を連想させる歌だ

矢作:妹がめっちゃやりたがっていて。私は「姉妹でやるのやばくない?」って言ってるんですけど(笑い)。妹は「やりたい。やりたい」って。じゃあ、いつかそういう機会があったらやりたいねって話してます。

 ――ナゴヤドームで姉妹揃って名前を呼ばるのが最高の展開

 矢作:もし呼ばれたらパーティーですね。我が家で。

 ――妹だけ呼ばれたら?

 矢作 うれしいですよ。うれしいですけど、ちょっと心の中で“私も呼ばれたかった”というのはあると思います(笑い)。

【次回は坂本真凛が登場】

☆やはぎ・ゆきな=1995年3月13日生まれ。埼玉県出身。16年11月にSKE8期生としてお披露目。妹はAKB・チームKに所属する矢作萌夏。

※6月14日(木)発行の中京スポーツ(中部地区で発売)では「総選挙直前SKE48特集」を1ページ掲載。矢作有紀奈らインタビューメンバー14人の直筆サイン入りチェキプレゼントもあります。