「2016ミスコリア選抜大会」が今月上旬、慶熙大学平和の殿堂で行われ、ファイナリスト34人が美を競った。優勝したのは22歳のキム・ジンソルさん。圧倒的な美貌と見事なスタイルでジンソルさんが優勝したが、ネット上で公開された出場者リストを見た世界中の人たちからは、大きなタメ息が漏れて、がっかりコメントばかりが書き込まれた。その内容は「同じ顔ばっかり」「姉妹が出ているのか」「1人が何回も応募しているのか」――。整形大国・韓国のミスコン裏事情を探った。

 韓国は美容整形大国として知られており、ミスコン出場者に整形美人がいてもおかしくはないが、同じ顔ばかりとはどうなっているのか。本紙は一昨年にこの件を報じたが、今回を見ると状況は変わらず。こうなると整形した出場者側の問題ではなく、ファイナリストを選ぶ選考者側に問題があるということになりそうだ。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「韓国人の“美の基準”というのは、ものすごく狭いのです。ひとつの美の型が決まると、皆それに合わせて作る(整形する)のが韓国の感覚です。私は“韓国式たい焼き美人”と呼んでいます。たい焼きのように同じ顔が量産されるということです。ミスコンで同じ顔ばかり、ということは、つまり、美の理想型に近い、全員美人ぞろい、ということで、むしろ“褒め言葉”になります」と指摘する。

 しかも女性の見た目の美醜は恋愛どころか、就職や極端な話、学校の成績にも影響するという。

「親が誕生日プレゼント代わりに娘に整形手術を受けさせることなど当たり前ですし、娘に整形させることのできる家はそれだけ経済的に余裕があるとみなされるわけで、体裁にこだわる韓国人の間ではさらに整形がはやるという図式です。整形は中流であるステータスとも言えます」と但馬氏。

 美容整形を受けられるのは裕福の証しで、極論すれば、不美人は貧乏人ということになるわけだ。

「同じ顔をしているということは『私もプラダのバッグを持っているのよ』というのと同じ感覚だと思ってください。ある種の優越感のシンボルでもあるのです」(同)

 日本では整形はあくまで本人の美意識の問題であり、コンプレックスを解消し自信を持つためという側面も強い。しかし韓国では、他人が整形を持ち掛けてくることもある。

 例えば韓国人の男性は、至極穏やかな口調で「日本は景色は美しいですが、女性は不美人が多いですね」などと平然と言う。

 また韓国留学をしていた日本人の女子大生が、現地の友人の家に遊びに行ったら、初対面の友人の母親から「あなたは目尻と顎の形が悪い。せっかく韓国に来たのだから整形した方がいい」と言われて、ひどくショックを受けたという話もある。

 但馬氏は「この母親からすれば、決して娘の友人を傷つけようとしたのではなく、あくまで親切心でアドバイスしたにすぎません。『韓国に来たんだから整形していきなさい』というのは、『東京に来たんだから浅草や原宿に行ってみなさい』というのとなんら変わらないということです。ちなみに、その友人の姉妹はみごとにみな同じ顔だったそうです」と語る。

 美に対する感覚や価値観が、日本と韓国ではそれほど大きく違うというわけだ。果たして来年の大会は…。