「うるせぇ、ババァ」の毒舌で「おばあちゃんのアイドル」「巣鴨のスター」などの異名を持つ毒蝮三太夫(78)が、18年ぶりに音楽界へ“参戦”することになった。
毒蝮が参加するのは「DJ JET BARON」のアルバム。12月3日にリリースされる「ENAK DEALER」の収録曲「おもしろおじさん」に出演している。18年前には「お元気なにより体操」というシングルCDをリリースしており、それ以来の音楽活動だが、今回は歌ではなくてラップ。
「ババァくたばってんじゃねえぞ! ジジイ寝てんじゃねえぞ!」など、ラジオの毒舌そのまま曲に合わせて叫んでいる。
この「おもしろおじさん」という曲は「DJ JET――」が、今の日本の社会に足りないものは「おもしろおじさんだ!」という思いを込めて作った曲。その象徴的存在が毒蝮だという。なにしろ「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」(TBSラジオ)で、45年以上も毒舌を吐き続け、街角のお年寄りやリスナーを怒らせるどころか、むしろ感謝されているのだから、オファーを出したくなるのも当然か。
「若い人に気にしてもらっているのはうれしい」とオファーを快諾した毒蝮は、レコーディング中も「俺がいつも言ってる『ババァうるせぇ』なんてのは、ラップみたいなもんだろ!? 大事なのはリズムと内容だよ」とノリノリだったという。
「DJ JET――」の趣旨には、毒蝮も賛同しているようで「昔はそこらへんに“おもしろおじさん”がゴロゴロいたけどねぇ。うちのおやじは大工だったんだけど、ある時作った棚の板が落ちて文句を言いに来たお客さんに、『お前、何か載せたんだろ?』って言ってたよ(笑い)。あるときおやじに『今年いくつになった?』って聞いたら『毎年変わるから、わからねぇよ』って、おもしろいじゃん(笑い)。今はそういうおじさんはなかなかいないから寂しいよね。だからこの曲を聴いて、少しでも日本におもしろおじさんが多くなってほしいね」と思いを語った。