大相撲九州場所11日目(22日、福岡国際センター)、一人横綱となった白鵬(32=宮城野)は関脇嘉風(35=尾車)に寄り切られて初黒星を喫した。自ら“物言い”をつけて不満を示し、土俵に居座るという前代未聞の愚行を見せた。

 左張り差しを狙ったが、嘉風が踏み込んでこなかったことでもろ差しを許した。待ったと受け止めて脱力したが、立行司の式守伊之助は「残った」。一気に走った嘉風の寄りに、たまり席まで吹っ飛ばされた。

 土俵下で白鵬は腰に手を当てて土俵上に戻ろうとせず、右手を挙げて待ったをアピール。向正面の式秀審判(45=元幕内北桜)に促されて渋々土俵へ戻ったが、勝ち名乗りを受けた嘉風が花道を下がっても、今度は土俵を降りようとせず、約20秒立ちつくした。弓取り式が始まり、不満げな表情でようやく支度部屋へ引き揚げたが、後味の悪さだけが残った。

 支度部屋に戻った白鵬は「納得いかないというのはない」と平静を装ったが「呼吸が合わなかった」と未練タラタラ。勝った嘉風は「ふわっとした立ち合いをひらめいた」と秘策がはまって笑顔を見せた。

 八角理事長は「勝負に対する執念の表れだが、潔くね…。待ったと思ったのか、自分で判断してはいけない」と苦言。12日目(23日)に審判部内で対応を協議する意向だが、式秀審判は「物言いは審判か控え力士しかつけられない。いくら大横綱だからといって、それはない。相撲は礼に始まり、礼に終わるものだ」と毅然とした態度だった。

 日馬富士の暴行問題が世間を騒がせる中、同じく横綱の品格を欠いた言動で、今後物議を醸しそうだ。