1982年から85年にかけて生産・販売された光岡自動車製のミニカー(マイクロカー)「BUBU50シリーズ」が、SNSを中心に話題になっている。ツイッターには「見っけた笑。めっちゃちっちゃかった笑笑。勝手に撮影失礼しました」「ぷぷっ、かわええのぅ~。ナショナル号もかわええ~。光岡自動車すき」などと、街で目撃した人たちが写真をアップしている。

 このミニカーに乗っているのは、関西圏で生活している40代の自営業、長谷川薫さん(ツイッターのアカウント名・kaorububu)。現在、公道を走らせているのは、BUBU501とサイデスカー(生産・販売㈱乗りもの館。ホンダのファミリーバイク「カレン」がベース)という車で、それぞれ「ナショナル号」「山パン号」と命名されている。誰でも見たことのあるナショナルと山崎製パンのラッピングが施されている。長谷川さんはこう話す。

「BUBUは3年くらい前に中古で買い、ラッピングしたのは1年くらい前。お年を召した方は『うわぁー、懐かしい』と言ってくれます。今の若い方には未来的に見えるようです。法的には軽車両『自動車』扱いになります。保険・税金はほぼ原付き扱いです。車庫証明も車検も必要ありません。シートベルトもヘルメットもいりません。自動車扱いで法定速度は60キロなので2段階右折の必要もありません」

 車をラッピングをしたのには意味がある。

「『明るいナショナル~』というCMソングがありますよね。今の世の中、暗い話ばかりじゃないですか。これに乗って走ることによって、世の中を明るくしたかったんです。『山パン号』は今年2月の福井豪雪で山崎製パンの配送車が動けなくなって、積んでいたパンを困っている人たちに配っているところがテレビで放映されました。人助けになっていたと思うんですよね。そこからきています」と長谷川さんは語る。

 驚かされるのは、長谷川さんがナショナル号などをSNSに投稿するようになってから、中古価格の相場が跳ね上がっていること。約5万円だったものが8倍の約40万円超になった。全生産数は2000台余りで激レアだからだ。

 BUBU50シリーズには、さまざまなタイプが用意されていた。「BUBU501」は三輪車で、前輪が2本、後輪が1本となっている。エンジンは、ホンダのリード50(AF01)空冷式2ストローク単気筒が乗せられている。

 レギュラーガソリンで走り、燃料タンクは満タンで5リットル。ハンドルは、中央部分にあり、乗車定員は1人。ドアは1枚。一度給油しても数百円しかかからない。それでリッター当たり40キロも走るのだ。

 しかし、85年の新道路交通法の施行によって、自動二輪免許・原付き免許で運転できなくなってしまった。それによって生産が中止されたという説もある。現在は、普通免許が必要。ちなみにクーラーはついていない。

「今年の夏は暑かったので、作業着屋で空調服を買いました。空気をより多く取り込めるようにファンを2個から4個にしました。それを着て、ネットの部分に保冷剤を入れるんです。車には、クーラーはついていないので、パイプを使って外気を取り込むようにしています」

 コンビニやスーパーの前にナショナル号や山パン号を止めていると、子供から大人まで大勢の人が話しかけてくるという。「日本中を明るくしたい」という長谷川さんの思いは広がり続けている。