福岡・博多を拠点とするアイドルグループ「HKT48」のチームHキャプテンを務める豊永阿紀(27)は、文章や写真、演技など多彩な表現に取り組んでいる。グループは15周年全国ツアーを開催中で、劇場デビュー15周年となる11月26日に地元・福岡で最終公演を行う。ライブへの特別な思いをはじめ、表現に対する独自の考えや意外な素顔、将来の夢を聞いた。

(左から)栗原紗英、龍頭綺音、豊永阿紀
(左から)栗原紗英、龍頭綺音、豊永阿紀

――ブログを始めたきっかけは

 豊永 当時のHKT48劇場支配人だった尾崎(充)さんに直談判しました。ファンの方からのメールで「阿紀ちゃん文章書くの上手だね」と言っていただいて、自分は文章を書くことが得意なんだと気づいたんです。指原莉乃さんのブログや兒玉遥さんのぐぐたす(グーグルプラス)を見て、自分もグループのために何かできないかなと思いました。

――ブログが仕事にもつながった

 豊永 卒業するメンバーのファンの方から「阿紀ちゃんのブログでようやく受け止められるよ」と言っていただき、読む相手を強く意識するようになりました。宮脇咲良さんが卒業するときには、私のブログをツイッター(現X)に載せてくれて、うれしかったですね。共同マネジメントを担う芸能事務所「おうち」の発起人である脚本家の金沢知樹さんも、ブログを読んで興味を持ってくださったそうです。近年は自分の気持ちを整理する場所にもなっています。

――父親から譲り受けたフィルムカメラを愛用している

 豊永「Nikon F3 HP」です。今もこれしか使っていません。フィルムの質感が好きですし、撮り直しが利かないから一瞬一瞬を集中して見る。大切にするから記憶にも残るんです。鹿児島の焼き物の窯元さんから、昔の登り窯の仕組みを知って新しいものを使うのと、最初から新しいものを使うのでは違うと聞いたことがあります。フィルムが好きなのも、そういうことかもしれません。

――特に印象に残っている写真は

 豊永 地頭江音々ちゃんの卒業公演ですね。私は出演していない曲のときに袖から見ていたんですけど、音々ちゃんも私がカメラを構えていることが分かっていたと思うんです。曲中に袖の方を向いてピースしてくれたり、お客さんの方からパッとこちらを振り返ったり。私にしか撮れない写真がいっぱい撮れました。

――演技とライブの違いは

 豊永 ライブは人前で見せるためにスイッチを入れて立つことが多いんですけど、お芝居はそれをしない姿を見せる。見られている意識をどこまでなくすかが難しいんです。毎回「マジで向いてないな」と落ち込むんですけど、それでもやりたい。自分がやりたい役より、人が私にどんな役をさせたいのかに興味があります。知らない自分に出会えるのが楽しいですね。

――15周年全国ツアーで届けたいものは

 豊永 やっぱりHKT48が好きだなと思っていただきたいです。10周年のときはコロナ禍でツアーができなくて、悔しかったんです。今回は15周年の歴史を感じてもらいながら、それを超える今のHKT48を見てほしいです。15曲メドレーは本当にきついんですけど(笑い)、目が合ったメンバーと何も言わずに通じ合って、またエンジンがかかる。そういう瞬間も楽しいですね。

――最も素の自分を出せる場所は

 豊永 ライブじゃないですかね。作りようがないので(笑い)。一番見てほしいところで、自分が一番輝いているものだと思います。生きがいですね。グループでライブをすることには絶対に終わりがある。でも、今はそれが考えられないくらい、ライブは「酸素ボンベみたいな、これがないと息ができない存在」ですね。

――公式アンバサダーを務めるアビスパ福岡の魅力は

 豊永 ベスト電器スタジアムに来たら全部分かると思います(笑い)。アビスパはすごく人間味のあるチームです。泥くさくて、浮き沈みがあっても、自分たちを鼓舞して上を目指す姿に勇気をもらえるんです。今季は、新しい選手も加入して空気が変わったと感じています。新たなアビスパが楽しみですね。

試合前チャントを歌うHKT48豊永阿紀
試合前チャントを歌うHKT48豊永阿紀

――福岡でおすすめのグルメは

 豊永 もつ鍋は「前田屋」さんが好きですね。薬院にある「しば田」もおいしいです。焼き鳥は大名にある「へて」が好きで、チーズ豆腐がめっちゃおいしいです。

――最近の私生活での変化は

 豊永 基本は寝ていますけど、最近ピラティスを始めました(笑い)。健康に気を使おうと思って。重心が整って真っすぐ立てるようになるのがいいですね。あとは部屋のカーテンを、10代の頃から使っていた花柄からポップな柄のピンクに替えました。ベッドカバーも水色にしたら、結構テンションが上がりましたね。

――今後の挑戦や将来の夢は

 豊永 より難しい選択や刺激的な方を選びたいです。楽な方に行かないのが自分の基準で、やったことのないことも計画中です。それを楽しめるのが私の才能だと思うので(笑い)。大きな目標は決めない方なんです。偶然の出会いに気づけない気がするので。ただ、うっすらと思っているのは、文章を書くことを仕事にしてみたいということです。

――最後にファンの皆さんへ

 豊永 ありがたいことに私も活動10周年を迎えまして、いつも応援ありがとうございます。グループとしても15周年を迎えて、慌ただしくてにぎやかな日々だと思います。苦難もいろいろあるけど、皆さんとなら越えられると思うので、日々を楽しみながら、いろんな景色を見たいと思っています。よろしくお願いします。