体操の世界選手権(17日開幕、オランダ・ロッテルダム)に挑む女子代表の杉原愛子(27)は、7月からアローヴラボ社と所属契約を締結した。なぜ化粧品会社がアスリートのサポートに携わるようになったのか――。

 直近の杉原は愛知・名古屋アジア大会の個人総合と種目別床運動で金メダルを獲得。女子日本勢初の快挙を成し遂げるも、同社が引かれたのは「競技力」よりも「体操への熱量」だった。

 杉原は2022年に引退し、外から約1年間体操を眺めた。新たな視点で体操と向き合う中で、23年に現役復帰を決断。「体操をメジャースポーツにしたい」との思いで歩みを進めている。

 同社はスポーツ界の発展を目的にビジネスを展開している。魅力ある商品づくりはもちろん、スポーツ界への還元にも注力。教育を通じたスポーツの土壌が根付く日本は「世界一」になれる可能性を持っているとの理念からだ。

 同社の担当者は「杉原さんは自分が関わるスポーツ界の未来までよく考えた上で行動している選手だなという印象だった。そうした選手はあまりいないので、ぜひ一緒に組みたいと思った」と当時を回想。体操を盛り上げたい一心で行動する杉原に共感を覚えたという。

 五輪において体操、陸上、競泳は「花形種目」と言われる。日本の体操界は世界トップクラスの実力を誇るが、盛り上がりに欠けているのが現状だ。同担当者は「杉原選手をきっかけに日本で体操の価値をみんなに知ってもらえたら、日本のスポーツ界の価値も一気に押し上がると思う」と指摘した。

 体操の人気向上は日本スポーツ界全体にとってもメリットが大きい。「日本のスポーツ界を発展させていくにはどうしてもお金が必要な面もある。スポンサーだけじゃなくて、自社内でスポーツを発展させる仕組みがつくれたらと思っている。そんな挑戦をするくらいスポーツは価値があるものだと思っている」と力説した。

 その一つが杉原の支援だ。杉原自身も「体操の未来に関わるアスリートのために全力で戦わなければいけない」と強い覚悟で活動。〝同志〟としてスポーツ界の未来を明るく照らしていく。