【東スポ音楽館】演歌歌手・市川由紀乃がシングル「ちりぬるを」(作詞・松井五郎/作曲・幸耕平)を5月13日にリリースした。昨年3月に歌手活動を復帰してから2作目となる今作への思いを語った。

 ――新曲はどんな作品

 市川「歌の舞台が遊郭で、そこに身を置く女性と若旦那という、身分に格差がある男女の実らぬ恋の歌です。すがらず、ねだらず、媚びずという女性が主人公で、“私のような人と一緒に生きていってはいけない、だから私は身を引く”という心情を歌っています。タイトルの『ちりぬるを』というとちょっと柔らかそうなイメージを感じますけど、強い女性像を描いています」

 ――市川さんがこういう曲を書いてほしいとお願いした

 市川「今回、幸先生には“和”を感じるような作品で、復帰作となった前作の『朧(おぼろ)』とはまた違った“艶歌”を歌いたいってお願いしました。サビも少しずつ盛り上がり、歌いながら気持ちがより高まっていく、そんな歌がいいなとお願いもしました」

 ――要望通りの楽曲が出来上がった

 市川「自分が思っていた以上の世界観でした。幸先生が作ってくださったメロディーも、松井先生が書いてくださった歌詞も想像以上でした」

 ――一昨年に卵巣がんの手術を受けて昨年、復帰されましたが、体調の方は

 市川「体力は少しずつ戻ってはいて、今年に入ってから1月には藤あや子さんと御園座公演、2月には三山ひろしさんと新歌舞伎座で公演をこなしました。三山さんとの公演は2本立てで、短期間に2つの演目を稽古しましたし、2週間ほどの公演期間でしたが、1日で昼夜2公演で、芝居に歌に、本当に休む時間もなくて。たくさんの方のサポートがあってこそですが、それでも完走できたのは自信につながりました」

 ――病気してから考え方とかの変化は

 市川「すべて変わりましたね。おいしいものを食べ、おいしいと思える喜びとか、大好きな歌を歌って聞いてくださるお客さんがいること、行く先々でサポートしてくださるスタッフさんがいたり、それまでは当たり前のこと、日常だったことが、今まで以上にありがたいなって感じています」

 ――今年はどんな年にしたい

 市川「とにかくいろいろな方に歌を聞いてもらえる一年にしたいです。3月末からコンサートも始まっていますが、九州や京都、和歌山と久しぶりに単独コンサートとしてうかがえるところもあるので、一人でも多くの方に歌を聞いていただきたいです」