【イヤー・オブ・ザ・キャット/アル・スチュワート(1976年)】
スコットランド出身のシンガー・ソングライター、アルの7枚目のアルバムにして最高傑作。キャリアは長く1966年にデビューしており、ミュージシャンや評論家の間で評価は高かったものの、ヒット作には恵まれなかった。それでも「ラヴ・クロニクルズ」(69年)「オレンジ」(72年)などは各方面から高評価を得ており、地道に佳作を発表し続けた。
76年には同作が全米5位を記録。キャリア最大のヒットとなり、シングルカットされた表題曲も全米8位のヒット曲となった。とにかくこの曲の完成度が高い。美しいピアノや静かなアコースティックギターで始まる長いイントロから、アルの繊細なボーカルにストリングスが絡み、ドラマチックな転調から入るエレキギターとサックスの音色など、文句のつけようがないアレンジである。
プロデューサーが“音の魔術師”アラン・パーソンズだったことも大きいだろう。アランが手がけた次作「タイム・パッセージ」(78年)も全米10位とヒットした。いわゆるAOR的サウンドではあるが、英国人シンガー特有の抒情性が存分に発揮されている。
ジャケットには、鏡に当時人気絶頂だったキッスのドラマー、ピーター・クリス(猫キャラ)のメークをした女性(?)や猫のシッポが写っているのもご愛嬌だろうか。何年たとうが心に染みる名盤である。












