“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、40歳からアマチュアとして活動し始め、「働きながらお笑いをする」というスタイルで賞レースでも結果を出し続ける女性ピン芸人を紹介する――。
【プロフィル】
個人名‥栗尾真理
生年月日‥1971年12月21日
デビュー‥2011年8月(新人お笑い尼崎大賞・予選会)
社会人として仕事をしながらアマチュアで活動しているピン芸人です。賞レースの決勝進出はまだ果たせていませんが、いつも目立って笑いを取っている。「THE W」では19、20、23、25年に準決勝進出。R―1グランプリでも今年、準決勝に進出しました。
ご本人に話を聞きました。
――Xには「演芸ファンの社会人」と書いてありますが、どのような活動をされていますか
「社会人のお笑い仲間とサークルを立ち上げ、地域のイベントや福祉施設でのボランティア公演、会場を借りて自主公演などを行っています。一方で個のスキルアップを目指して、インディーズライブにエントリーしたり、お笑いコンテストに挑戦したり。ここ数年は社会人お笑いの大先輩・ガーベラガーデンさんとのトリオ『第3おかかうどん』で、M―1グランプリに挑戦しています」
――お笑いを始めたきっかけは
「子供の頃からお笑いが好きで『いつか自分でもやってみたい』という淡い憧れから1人で漫才台本を書きためたりしていましたが、一歩踏み出す勇気がないまま年齢を重ねました。40歳になる手前で仕事と家庭で同時にトラブルを抱えてしまい、『もう遠慮はしない。人生の後半は好きに生きてやる』と、半ばヤケ気味に地元のコンテストに応募したのが最初です」
――働きながらお笑いに取り組む秘訣は
「働く時は全力で働く、舞台に立つ時は全力で立つ。仕事とお笑いを完全に切り離して、メリハリをつけた生活をすることで、どちらも真面目に一生懸命取り組めている気がします」
――「THE W」では毎年目立っている
「今まで4回準決勝に参加させていただいていますが、個性と技術、華やかさを兼ね備えた演者さんに囲まれて、あまり爪痕を残せてなかったと感じています。特に23年は温かい会場なのに自分だけゼロウケという惨状でかなり落ち込みました。ただ、昨年は多少なりともウケた手応えがありましたので、希望を持って諦めずにチャレンジを続けていこうと決意を新たにしました」
――今年はR―1でも準決勝進出
「近年、大阪予選からアマチュアが準決勝に進んだ例がなく可能性のない話だと思っていたので、ただただ驚きました。知名度や華やかさがなくてもネタの内容を評価していただけたことがすごくうれしくて、とてもありがたかったです」
――ライブにはどれくらいの頻度で出ている?
「月5~6本。大阪に『楽屋A』という劇場があり、現在はその劇場の2軍メンバーに入っています。プロ、学生、社会人など多種多様なメンバーが在籍し、我が子ほど年の離れた演者さんもいる。そんな皆さんと同じ土俵で切磋琢磨させていただいていることが大きな刺激になっています」
――今後の目標は
「プロは目指さず、『働きながらお笑いをする』というライフスタイルを提示して発信し続けていきたい。『あんな普通のおばさんでもやってるんだから自分もお笑いを始めてみようかな』と考えてくださる方が増えたらうれしいです」
――ネタの作り方は
「悲しい実体験や日頃のうっ憤など、自分の内側から湧き出るネガティブな感情を笑い話になるようアレンジして肉付けていくことが多いです」
――影響されたお笑い番組は
「昭和50年代の漫才ブームをキッカケにお笑いにハマりました。『オレたちひょうきん族』『お笑いスター誕生』など」
――趣味は
「一人カラオケ」
今後、賞レースで決勝進出するのは時間の問題でしょう。やりたいことは何歳からでもやれる。それを実証している、お手本のような方だと思います。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












