在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成される東京映画記者会は28日、選考した「第68回ブルーリボン賞」各賞を発表した。社会現象を起こした「国宝」が作品賞に選ばれた。
同作は、任侠の一門に生まれながら歌舞伎界に転じ、芸の道に人生を捧げた女形(吉沢亮)の物語。昨年6月に公開されて歴史的ヒットを飛ばしている。興行収入は邦画実写で1位に躍り出て、最新の25日時点で196億円まで伸びた。
メガホンを取った李相日監督はヒットの要因として、伝統芸能のポテンシャルの高さを挙げた。
「外(外国)から来たものではない自分たちの文化、宝を改めて掘り起こされた〝目覚め〟のような発見があったのではないでしょうか」
作品に関わるスタッフの強い思いも功を奏したとみる。
「結局映画って、ヒットの法則通りに作ったらこうなるというわけじゃないと思うんです。大事なのは皆の執念。それがないと、この(『国宝』の)完成度に引き上げられないです。そういう意味では、関わる人間の執念を結集させることによって、どんな事態が起きるか分からないことを示せたとは思います」
同作の影響力は国内にとどまらない。米俳優のトム・クルーズも感銘を受けた一人で昨年12月、ロサンゼルスで同作の上映会を開催した。
李監督はこれまで「フラガール」(2006年)、「悪人」(10年)、「怒り」(16年)、「流浪の月」(22年)など意欲作を撮り続けた。「国宝」のヒットを踏まえ、「ここからの映画数本で、ある種の結果を残していかないと『国宝』の〝遺産〟を食い尽くして終わってしまう。20本、30本やって(撮って)初めて映画監督としての流れを作れると思っています。その半分もいってないのでまだまだ途上という感じです」と気を引き締めた。
2月17日、都内で授賞式を開催する。受賞は以下の通り。
作品賞 「国宝」(李相日監督)
監督賞 山田洋次監督「TOKYOタクシー」
主演男優賞 妻夫木聡「宝島」
主演女優賞 広瀬すず「ゆきてかへらぬ」「遠い山なみの光」「片思い世界」
助演男優賞 佐藤二朗「爆弾」
助演女優賞 森田望智「ナイトフラワー」
新人賞 渋谷龍太「ナイトフラワー」
外国作品賞 「教皇選挙」













