在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成される東京映画記者会は28日、選考した「第68回ブルーリボン賞」各賞を発表した。「ゆきてかへらぬ」「遠い山なみの光」「片思い世界」で役を演じ分けた広瀬すず(27)がブルーリボン賞初受賞にして初の主演女優賞を獲得。広瀬は〝シャットダウン〟していた過去、恋愛観の変化を告白した。

 ブラックのセットアップに身を包んだ広瀬には、見る者をグッと引き付けるオーラがあった。

「去年は公開作がいつもより多かったのもあって、すごく濃厚な一年だった。いろんな世代を生き抜いてきた女性たちを演じられて、それを見てもらえたのはありがたいですね」

 女優デビューから今年で13年目を迎える。その中で一番の変化は「人としゃべれるようになったこと」。NHK連続テレビ小説「なつぞら」(2019年)で主演した際、歴代の朝ドラヒロインたちと共演したことがきっかけで、コミュニケーションの重要性に気づいた。

「結構(周囲を)シャットダウンするタイプだったんですけど、『なつぞら』では人見知りしてる場合じゃない環境になった。ノリでもいいからいったん話してみるみたいなことをしていたら、皆さんも仲良くしてくれた。人ってこんなに優しいんだと思ってから、楽しく話せるようになった。だから今は何をしてても楽しいと思うし、一番大きく変わったことかもしれないですね」

ポーズをとる広瀬すず
ポーズをとる広瀬すず

 今回の3作の現場でも楽しめたようだ。

 これまで演じてきた作品を通して、自身の恋愛観に変化があった。

「ずっと自分のお父さん以上にカッコいい人なんて、顔を含めて誰もいない」と思っていたが「年齢を重ねて環境や感性が変わったりして、器の大きい、愛情深い人になりたい」と考えるようになった。「そういう、目の前の人のことを知って受け止める、思いやりのある人は憧れますよね」と頰を緩めた。

 出合った数々の役から見いだした理想の女性像は「覚悟のある人」だ。

「演じている時は軸があるのに、プライベートになった瞬間にその軸がないのを実感する。貫き通す、覚悟のある人ってカッコいい」

 ブルーリボン賞では主演男優・女優賞の受賞者が翌年の授賞式で司会を務める。広瀬は今年の主演男優賞の妻夫木聡とは「宝島」で共演。来年の授賞式の司会について「映画愛にあふれた先輩の横に立たせていただけるのは、すごく光栄だなと思います」と喜んだ。

 2月17日、都内で授賞式を開催する。受賞は以下の通り。

作品賞 「国宝」(李相日監督)
監督賞 山田洋次監督「TOKYOタクシー」
主演男優賞 妻夫木聡「宝島」
主演女優賞 広瀬すず「ゆきてかへらぬ」「遠い山なみの光」「片思い世界」
助演男優賞 佐藤二朗「爆弾」
助演女優賞 森田望智「ナイトフラワー」
新人賞 渋谷龍太「ナイトフラワー」
外国作品賞 「教皇選挙」