◇真鳥康太(31)長崎支部123期

 新たな強伸び仕様の使い手が誕生した。10月鳴門でデビュー初V。相棒は長崎支部の先輩・重富伸也が仕上げた伸び型エンジンだった。「ペラにヒビが入っていたけど、ものすごい伸び。勉強のためにもダッシュ一本でそのまま行った」。予選をチルト2度で勝ち上がると準優、優勝戦はマックスの3度まで跳ねた。

 その強烈な感覚は2か月たっても鮮明に残っている。「これで優勝できなかったら一生、優勝できないという足だった。それまでに体感したことない伸びで手前からトップスピードに乗るまでの加速感が違っていた。優勝戦はみんながマークにきて3カドは初めてだったけど、スリットから一気に行けた。運も味方にできた」と振り返る。

 優勝戦は3カドから豪快まくり一撃。1Mを回った後は石橋道友に差されかけたが、BSで振り切って待望のVゴールを駆け抜けた。「前検日に樋口亮さんに伸びがすごいことを伝えたら『初Vやな、おめでとう』と言われてました。まさか現実になるとは(笑い)。レース後は連絡がいっぱいきて、うれしかった」と笑みがこぼれる。

 優勝戦で「味を占めた」と伸び仕様の追究がスタート。〝伸び型調整の第一人者〟菅章哉とも縁があった。弟の真鳥章太の妻・西岡成美の師匠が菅。偶然にも伸び型に目覚めた直後のびわこで菅と同時あっせんになった。「菅さんにはスタート、伸び型調整の時の気持ちの入れ方、乗り方とかいろいろアドバイスをもらった。『外枠一本なら3年かかる。仕事量は増えるけど、枠に応じてなら近道』と言われた。0・5度と3度とか枠に応じてチルトを変えてます」と〝菅スタイル〟にチャレンジ。「伸び型はエンジンがバテるので調整がシビア。菅さんには『調整できたらあまり乗らない方がいい』と言われた」と一筋縄ではいかない調整法に奮闘中だ。

「これまでは外マイでかわすスタイルだったけど道中が荒過ぎた。今はまくりも、まくり差しも頭に入れて攻めるレースがまともになってきた。道中もスピードを持ってさばくようにしている」と手応えをつかみつつある。「菅さんから『チルト3度』のTシャツをもらった。自分の名前を入れてアピールしていこうかな(笑い)。これからはずっと伸び型。みんなの脅威になる選手になりたい」と気持ちも固まった。

「優勝は自分が先だったけど、A級は弟の方が先になった。早くA級に上がりたい」。新たな〝武器〟を磨き、まずはA級初昇格を目指す。