お笑いコンビ「TKO」の木下隆行(53)がタイ・バンコクの繁華街「アソーク」でカフェバーを出店することを発表し注目を集めている。今年9月に突如タイに移住。「誰に何を言われようが、自分の好きなことをして生きていく」。晴れやかにそう語る木下の、謎に包まれたタイでの生活とこれから、そして大炎上した袈裟騒動の真相について聞いた。
カフェバーの名前は「ON AIR」。アソークで有名な商業施設「Young Place」のそばに位置し、カレーやたこ焼きなどのフードとお酒を提供する。現地の人はもちろん、観光客や駐在している邦人が集まる憩いの場を目指す。木下も「バンコクにいる時は1時間だけでも、なるべく顔を出そうと思っています」と店頭で店を盛り上げるつもりだ。
9月1日にタイに移り住み、4日から同店の営業を開始した。店舗の運営準備や整備のほか、この約3か月間はタイに慣れるための時間を過ごしたという。「家のカーペットを買おうにもどんなものを買えばいいのか、どこで買えばいいのか分からない。文化も全く違いますから。そういうところも含めてここ数か月は忙しくしてました」
移住したとはいえ、日本での仕事も多い。今の生活の比重はタイと日本で6:4だ。「移住」というには日本滞在が長いことを恥ずかしそうに笑う木下だが、これにも理由がある。
「日本で仕事を1つもらったとして、僕が売れっ子やったらその翌日とかに別の仕事を入れられるんですけど、そうじゃない。5日後とかに決まるんですよね。ありがたいことなんですけど。そしたらもうこの期間はタイに帰らんとこってなるんですよ」
木下の決断を応援する、相方の木本武宏のためを思ってでもある。「僕らコンビでずっとやってきましたから。彼がマイナスにならんように動かないといかん」。タイ移住後も関係は良好で、取材の前日も木本に会い、この日も夜に食事をする予定だという。
「ON AIR」の宣伝が遅れたのは、9月に袈裟姿をめぐる炎上騒動があったからだった。タイに渡ってすぐの木下は、寺院の前で僧侶の袈裟のような衣服を着て動画を撮影。タイでは僧侶は尊敬される存在であるため、この行為はタブーだった。同月7日にインスタグラムにアップすると大炎上したのだ。
「本当に自分の非ですし勉強不足でした」とその大きな体を小さくすくめた。タイは自由の国だが、移住者だからこそ、その国の文化や慣習を知っておく必要がある。
「例えばバイク。現地の人はみんなノーヘルで、3人乗りとかも平気でしているんですけど、法律としては一応ダメなんですよ。だけども警察も全然注意しない。現地の社会はそれで回ってるんです。でも、移住者の僕がそれにならって違反している様子を日本に見せたら、それは炎上しますよね」
実際、批判の声もそのほとんどが日本からのものだった。その教訓を胸に袈裟グッズは丁重に処分した。
今後について、映画やドラマのオーディション挑戦、「ON AIR」でのトークライブの開催など目標とするものは多い。「とにかくタイでどんな面白いことができるか、それだけを考えています。日本とタイのかけ橋としてお仕事をいただけたらうれしいと思っています」と先を見据えた。
☆きのした・たかゆき 1972年1月16日生まれ。大阪府出身。90年に相方の木本武宏とお笑いコンビ・TKOを結成した。94年に「ABCお笑い新人グランプリ」で新人賞を獲得。「キングオブコント」で2008年・10年・11年・13年と4度の決勝進出を果たすなど活躍した。20年に松竹芸能を退所して以降、フリーで活動している。












