11日に訃報が流れた名優の仲代達矢さん(92)は、巨匠・黒澤明監督の映画でも名を高めた。

 黒澤監督ほか、成瀬巳喜男、市川崑、岡本喜八ら名監督たちの作品でスクリーンを彩った仲代さん。とりわけ黒澤映画では「用心棒」(1961年)や「椿三十郎」「影武者」「乱」など時代劇で活躍し、強い印象を与えた。

「椿三十郎」では三船敏郎さんの三十郎との決闘場面で、切られた仲代さんから血がしぶきのように大量に吹き出す演出が際立ち、仲代さんの存在感も高まった。80年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した「影武者」では、主人公の武田信玄およびその影武者役の勝新太郎さんが途中降板する騒ぎがあり、仲代さんが代役を務めた。

 悪役でニヒルな演技が印象的だった仲代さん。名優がまた一人、旅立った。