経済アナリストの森永康平氏が21日、「上泉雄一のええなぁ!」(大阪・MBSラジオ)に出演し、5万円目前となった日経平均株価について解説した。

 高市政権誕生の前から日経平均は4万9千円を超え、今月中にも大台(5万円)に乗るのではと目されている。参院選から続く、政治の不安定さが解消されたからとの評価もあるが、森永氏は別の見方をしている。

 森永氏は「高市さんが総裁選に勝ったあと、株価が急騰して、為替も一気に円安に動いた」と振り返りつつ、異変を指摘。ポイントは銀行株の動きだという。「今回、いまいち高市トレードにはなっていない。昨日(20日)高市銘柄(半導体、核融合関連、防衛関連株など)は上がっているんですけど、下がっていた銀行が上位にきてるんです。高市さんだから円安という話ではなくて、為替は日銀の方を気にして円高方向に動いた」と解説した。

 森永氏は、自民党内での高市氏の基盤の弱さや連立する維新との関係性から、目されていたよりもマイルドなかじ取りになるのではと推察。「市場関係者は高市さんになったとしてもフリーハンドで『積極財政だ』とはならないとみているので、円安方向に飛ばない。一方で株が強いのは、高市さんが極端なことはできないだろうから、政局リスクは減ったんじゃないか」と分析した。

 高市氏は昨年9月の総裁選出馬の際には「金利をいま上げるのはアホやと思う」と日銀をけん制していた。一方、日銀の高田創審議委員は20日、政策金利の引き上げに関し「機が熟した」と述べていた。

 また日本経済を冷静に見るなら、日経平均より東証株価指数をすすめた。「日経平均って、かなりいびつな株価指数になっちゃってて、AIとかが上がると株価が上がっている。内需株(レストランなど)は全然上がってないんです。熱狂的なAI・半導体に対する投資が大丈夫かと言いだす人は出てきている。AI周りの企業は循環取引みたいになって、売り上げを伸ばしているという指摘も出ている。アメリカの銀行とかの信用不安とかのニュースも出てきて、こういう状況を軽んじない方がいい」とし、2008年のリーマンショックを引き合いに出し、警鐘を鳴らした。