7月1日、チリのATLAS望遠鏡によって、太陽系を猛スピードで通過する謎の恒星間天体が観測され、「3I/ATLAS(アトラス)」と名付けられた。これは観測史上〝最古の彗星〟であり、太陽系の誕生よりも古い可能性が高いとみられる。しかし、米ハーバード大学の理論物理学者で宇宙学者が、地球外の宇宙船である可能性を示す重要な証拠を発見したと発表した。英紙デーリー・メールが13日、報じた。

 有名なハレー彗星は約76年の周期で太陽を周回する彗星だ。しかし、今回のように、太陽系外から飛来してきた恒星間天体が見つかったのは史上3例目でしかない。一つは2017年の「オウムアムア」、もう一つは2019年の「ボリソフ」だ。

 アトラスは、おそらく数十億年かかる旅を経て、別の恒星から太陽までやって来た。10月30日に太陽に最接近し、また太陽系外に飛び出て旅を続ける。現在、地球から4億9000万キロ離れているため、天文学者はその大きさを直接測定することができない。

 代わりに、物体がどれだけの光を出すかを計算し、反射率に基づいてその大きさを推定する。もしそれが小惑星のような固体物体で、当たる光の約5%を反射するのであれば、直径は20~24キロであると推定される。そうなると、アトラスは、細長い葉巻型で全長100メートルのオウムアムアより最大200倍も大きいことになる。

 専門家らは、アトラスについて例外的に巨大な固体か、あるいはガスと塵の明るい外殻を持つ小型の彗星のいずれかであると推測している。

 しかし、ハーバード大学の理論物理学者で宇宙学者のアヴィ・ローブ教授は論文を発表。「この恒星間物体は直径24キロ、自然発生するにはあまりにも大きすぎる。天の川銀河には、この大きさの岩石を作るのに十分な質量がない。それが太陽系内で見られるというのは、あり得ないほど大きすぎる。それに、あらゆる方向に飛んでいく可能性があるのに、自然に太陽系に到達する可能性は非常に低いため、別の可能性としては、この物体が何らかの技術的設計によって太陽系内部に到達することを目指していたのです」。宇宙船の可能性があるというのだ。

 一方、アトラスが彗星であるという説の根拠として、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)による最近の観測結果が挙げられている。VLTは、この物体から塵やガスが放出されているという直接的な証拠は発見しなかったが、表面の赤化が塵によるものであることから、彗星であると結論付けた。

 ローブ氏は「それが太陽に近づき、太陽光によって熱せられ、加熱されればされるほど、彗星であれば質量が減り、この物体が何であるかが分かりやすくなる」と指摘する。

 質量が減らなければ、彗星ではなく、宇宙船の可能性が出てくるというわけだ。