キサントフィルをご存じだろうか。野菜の赤パプリカに含まれている成分だが、最近このキサントフィルを使ったサプリや健康ドリンクなどが続々と登場している。なぜ注目されるのかを専門家に聞いた。

【栄養価の高い赤パプリカ――抗酸化力の高いカロテノイド】

 パプリカは食卓を赤や黄色の鮮やかな色で彩る緑黄色野菜である。その中でも赤パプリカは栄養価の高い野菜とされている。多くの人が、肉と一緒に炒め物に使ったり、酢漬けしてピクルスにしたり、生で野菜スティックとして楽しんだりしてパプリカを食べたことがあるはずだ。

 ただ日本では、近年は消費量が増加しているとはいえ年間消費は1人平均1個ほどに過ぎない。古くからよく食べられている欧米に比べると、日本ではそれほどなじみのある野菜とは言えないかもしれない。

 しかし、その赤パプリカが最近は健康と美容に役立つスーパーフードとして注目を集めているのだ。

 その理由は、赤パプリカがカロテノイドの一種であるキサントフィルを多く含んでいるからだ。カロテノイドとは黄、赤色などの色素成分であり、例えばコーンの黄色やニンジンのオレンジ色、トマトやパプリカの赤色を作り出しているが、それだけでなく抗酸化力を持っている。抗酸化力とは、人体の細胞を傷つける活性酸素を消去する能力である。カロテノイドの一種であるキサントフィルは、その中でも抗酸化力が高く、細胞の老化を防ぐ作用が強いとされる。

【植物の色には意味がある――赤パプリカの色素に注目】

「植物が持つ色の多くには意味があり、さまざまな機能があることが知られています」と研究のきっかけを説明するのは、赤パプリカ由来のキサントフィルであるパプリックスという食品素材が開発されたグリコ栄養食品(大阪市)技術開発センターウェルネス開発グループの舟橋依里氏だ。

 日光をよく浴びる夏野菜は鮮やかな色をしていることが多い。これは、強い紫外線から身を守るための防御機構として鮮やかな色を持っているためであり、この防御機構が抗酸化力と関連していると考えられている。

 パプリカにも赤、黄、オレンジ、緑などの色があり、それぞれ含まれる栄養素が異なる。赤パプリカはビタミンCやベータカロテン、カプサンチンといった抗酸化成分が豊富だが、黄パプリカはルテインという目の健康にいいとされる成分を多く含んでいる。オレンジパプリカは赤と黄の中間で両方の栄養素を含んでいるという。

 同社が赤パプリカキサントフィルの研究を始めたのは2008年ごろからだ。赤パプリカに着目した理由は、その抗酸化力の高さだった。同じように赤い野菜であるトマトと比べても赤パプリカはキサントフィルを100倍も含んでいるとされる。

 同社によれば「体脂肪、BMI値、体重、腹囲の低減効果や、皮膚での紫外線による紅斑形成を低減させ、肌を紫外線刺激から保護する効果、運動後の疲労感を軽減する効果が期待できます」(舟橋氏)としている。そこで次回は、さらに詳しくパプリカキサントフィルの効用について聞く。