昨年末大みそかの夜に他界したマルチタレント・中村メイコさん(享年89)を「乾杯で送る会」が18日、都内で開かれた。夫婦ふたり暮らしだった夫の作曲家・神津善行氏(92)は、最期を看取った時を涙ながらに振り返った。

 メイコさんの死因・肺塞栓症について、善行氏は「血管の血が固まるんですね。エコノミー(クラス)症候群と同じ症状で、それが肺に入ると、肺で血管が止まるらしいんですね」とまず説明。

 善行氏は大みそかの夜、「ちょっと変だから寝かせて」と言うメイコさんを寝かせ、夫婦でNHK紅白歌合戦を見ていた。「紅白が面白いの、面白くないのって散々言ってましたけど、これはNHKに悪いから言いませんが…」と善行氏。

涙ながらに妻の看取りを明かした神津善行氏
涙ながらに妻の看取りを明かした神津善行氏

 その後、メイコさんは「寝る」と言って寝たが、すぐ善行氏を呼び「ちょっとやっぱり変だから起こして」と頼んだ。善行氏はベッドの上でメイコさんの首を持ち、抱き起こした。「どぉ、大丈夫?」と聞くと「うん、大丈夫だけどちょっとしばらくそうしてて」。メイコさんはそう言うと、善行氏の小指に自分の人差し指をぶら下げてきたという。

 最初その指には力があり、善行氏は〝あ、元気があるな〟と思ったそう。ところが1分10~20秒ほどで「〝なんか力が少し抜けてきたな〟と思ったら、ホロッと手が落ちたんですね」。メイコさんはこの時、全く苦しむこともなく息を引き取ったという。

「彼女は計算をして、僕を連れてきて自分を抱かせたんだろうと…。それを考えるとすごく、人生の一番最後に幕の引き方が非常にきれいだったなと思うし、それがかわいそうで…。それを思い出すと、どうしてもいまだに吹っ切れないんですね。涙が止まらないんで」

 夫婦ではかねて「どっちが先に死ぬか」という話をよくしていたそう。「アタシはアンタの葬式なんかできないから、絶対に黙った先に逝かないでね」と散々言っていたメイコさん。善行氏が「アンタを1人で遠い所、道も分からない所に行かせるわけにはいかないから、1人で死んだら俺も付いてってやるよ」と言うと、うれしそうに泣いていたという。

 この約束を果たせなかった善行氏は、親族との囲み取材を「いま彼女を連れて向こうの国へ一緒に行ってやりたい。っていうのが、一番の僕のいまの気持ちです」という言葉で締めくくった。