武見敬三厚生労働相は10日、ホストや女性客らに向けて職業安定法の内容をQ&A形式で整理し、啓発する文書を作成する考えを示した。ホストが女性客に売春などの仕事をあっせんするのを防ぐ狙い。衆院厚生労働委員会で、立憲民主党の山井和則氏の質問に答えた。

 武見氏は、ホストが女性客に多額の借金を背負わせ、風俗業での勤務や売春を強要する問題が多発しているとの指摘に対し、職業安定法に違反すると言及。「法の趣旨や考え方について周知徹底に努める」と述べた。厚労省のホームページで近日中に公表する。

 成人女性が自らの意思で派手なホスト遊びをして、担当ホストに貢いでいるだけ…このような色メガネでこれまでは見られていたため、〝破滅〟した〝ホス狂(ホスト狂い女性)〟に世間は同情的な視線を送らなかった。しかし、マインドコントロールを仕掛けるホスト、だまされる女性という構図に国が動き出したわけだ。

 キャバクラなどでは持ち金がなければ、店から「お帰りください」となる。しかし、ホストクラブは〝売り掛け(いわゆるツケ)〟がある。そのため、女性はその場のノリと推しのホストの売り上げに貢献するため、青天井でカネを使う。そして、売り掛けを払うため、売春などで現金をかき集める。銀座の高級クラブも売り掛けだが、客は懐に余裕があり、ホステスは客の懐具合を把握しているので、無理にはカネを使わせない。

 昔ながらのホストクラブは銀座のクラブのように懐に余裕のある客が遊ぶ場所だった。しかし、歌舞伎町などで社会問題化している一部のホストクラブのホストは女性を風俗に落とし、自殺に追い込むほどカネを搾り取る。

 元ベテランホストは「ホストのなり手に変化があったのは2011年の暴力団排除条例と12年の改正暴力団対策法の施行からです。これにより、ヤクザになっても羽振りがよくないどころか、食えないかもしれなくなった。そこで〝暴走族のエリート〟の進路にホストというコースができた。そういう人が幹部、経営者になっている。だからボトルを何十倍、何百倍でおろすことに罪悪感はないし、借金、つまり売り掛けの取り立てが苛烈なのです」と語る。