“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、かなりの“先物買い”。新道がたまたまライブで見かけた、まだ21歳で芸歴2年目という無名の女ピン芸人を取り上げる――。
最近フラッと出演したフリーライブに面白いピンの女芸人がいたので紹介したいと思います。
【プロフィル】
芸名‥ハヤイカガヤイ
出身‥兵庫県神戸市垂水区
生年月日‥2002年10月11日
所属‥フリー
デビュー‥2022年4月17日
出演者は10組程度で、観客は8人ほどというライブの前半に出演し、自分のファンもいない中、笑いの量が目立っていました。順位が出るライブだったのですが、当然のように1位でした。話を聞くと、普段は大阪で活動している。前回東京に来た時、思ったよりウケず悔しかったので、交通費も高いけどもう一度参戦したそうです。
エンディングでもグイグイ前に出る。ほとんど先輩ばかりなのに、前に出る姿勢は見習いたいぐらい。この日はモノマネで笑いを取っていました。まだ21歳で芸歴は2年目。とんでもない芸人が現れたと脅威に感じましたが、近くで見るとモノマネをする時に少し手が震えており、それなりに緊張はしているんだとちょっとだけホッとしました。
このフリーライブはお昼に行われたのですが、その日の夜に私主催の「新道竜巳の女芸人フェス」というライブがあり、出演をオファーしたらOKをもらったので、参加していただきました。そのライブでもよくウケておりましたが、さらに驚いたのがネタの後です。
出演者4組と私がトークしたのですが、初対面なのにグイグイ前に出る。この姿勢はお笑い芸人の本来の姿を思わせます。自分が出ている時間は全て笑いに変えようとする志の高さは、すべての芸人に見てもらいたいと思います。
あらためて話を聞かせていただきました。
――お笑いを始めたきっかけは?
「中学生の時に渡辺直美さんを見て、『この人みたいになりたいな』と思ったのが明確なきっかけです」
――東京のライブに出る目的は?
「東京のお笑いと大阪のお笑いは違うとよく耳にするのですが、実際どう違うのか気になるので確認しに来ております。でもまだ分かってないので、また来ます!」
――すごく面白いけど、学生のころからネタを作ってましたか?
「めっそうもないです…。ネタは初舞台が決まってから書き始めました、学生時代は名だたる方々のネタを『おもしれ~、すげ~』とほげほげ見ておりました」
――アウェーの東京で、周りも先輩ばかりなのにグイグイ前に出る秘訣は?
「“しゃべりたい”という欲が小さいころから人一倍強いことと、大阪では面白くてお優しい先輩に囲まれているので、多少ミスをしても何とかしてくれるであろうという甘えが、東京でも露呈してしまいました…」
――好きな芸人は?
「『たりないふたり』のお二人(山里亮太、若林正恭)です」
――初めてライブで新道竜巳と一緒になった時の感想は?
「生で拝見すると思ったよりボクサー体形でした」
舞台度胸があるのに、お笑いを始めるまで舞台に出るのは未経験だというのが驚きでした。私のライブに出てもらった時、お笑いを始める経緯を話してくれました。
「書店員で働いているときに信じられないぐらい落ち込みまして…。落ち込んだ結果、一番やりたいことをやってなくて『なんで落ち込んでいるんだ。だったら、お笑いをやって落ち込んだ方がいいだろ』となりました。それから大阪のフリーライブを探して…。養成所も、学校というシステムに慣れずちょっと行けないなってなって、フリーでライブを探して自分でネタを考えて出るようになりました」
落ち込んだことをプラスに変える考え方や、すぐ実行に移すフットワークも見習うべきだと思いました。まだ無名ですが、これからあっという間に売れっ子になっても全く不思議ではない芸人さんだと思います。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












