千葉・浦安市にあるキノコ型の街路樹を巡って騒動が起きている。浦安市は市役所通りの中央分離帯にある街路樹約200本の伐採を計画。しかし、一部の住民が反発し、ストップしたというのだ。街路樹が成長しすぎたことによる安全面を考慮しての伐採なのに何がネックなのか。市と住民双方に取材し理由を探った。
市役所通りの東野交差点から見明川に突き当たるまでの約1・8キロにわたってキノコ型に剪定(せんてい)されたカイヅカイブキが中央分離帯に並ぶ姿は地元のシンボル的景観だ。しかし、成長しすぎたことで枝が道路にはみ出し始めて車に触れるようになったことや、街路樹の間をすり抜けるように横断する人が続発。車から横断する人の姿が街路樹で見えにくく事故になりそうになるなどしたため、市は伐採し横断防止柵を設置する計画を立てた。
これに驚いたのが市役所通りに面する浦安市東野3丁目の住民たちだった。元自治会長の男性は「今の自治会長に市から連絡が来たのが8月25日のこと。伐採は9月4日からとなっていたんですよ。あまりにも急だということで住民らで市長にもっとよく考えてほしいと手紙を出したのです」と話した。その結果、東野3丁目の街路樹約100本はひとまず伐採されないこととなった。
確かに急ぎすぎである。伐採ではなく剪定では無理なのか。市道路整備課の担当者は「カイヅカイブキは伸びた部分を剪定すると空洞になっている中が丸見えになってしまいます。緑なのは表面だけで中には茶色の枝があり、それが見えてしまうのはきれいではない。それなら抜いた方がいいと判断しました」と説明した。
また、「道路を飛び出してくる人がいて危険な思いをした運転手の方からは工事に賛成の声をいただいております」と市は伐採の必要性を説く。確かに取材中も木の間を通り抜け横断する人がいた。日常的にある光景なのだろう。
安全のために伐採というのは受け入れられそうな理由だ。それなのにどうして反対なのか。
キノコ型の街路樹は住民にとってあるのが当たり前の存在だった。カイヅカイブキが植えられたのが約40年前。当時の資料は市にも残っていないというが、当時はまだ小さく、40年かけてこの大きさになっていた。
住民らは緑へのこだわりが強いという。元自治会長の男性は「この地区が40年前に開発されたときのキャッチフレーズが『緑でつなぐ向こう三軒両隣』。当時あった住宅はどこも生け垣で隣近所と行き来できる形になっていて緑が多かった。それに、浦安市は『緑の基本計画』を策定し緑を増やそうとしているはず。それなのに伐採ってどういうことですか」と主張した。
続けて、「市は伐採後にツツジにするっていうけど、雑草に覆われちゃう。緑を大事にする市の市役所通りの中央分離帯が雑草だらけの土手みたいじゃ、みっともない。剪定が大変っていうけど、もっと専門家に聞いてより良い方法を探してみたらいい」と訴えた。
街路樹騒動といえばビッグモーターや神宮外苑再開発が話題だが、人々の関心が高いようだ。












