元大関は大丈夫なのか。大相撲秋場所2日目(11日、東京・両国国技館)、幕内朝乃山(29=高砂)が新関脇琴ノ若(25=佐渡ヶ嶽)を上手投げで破り、初日から2連勝と好スタートを切った。先場所は左腕を痛め、夏巡業では右足親指を負傷。不安を抱えたまま本番を迎えた。そうした中、元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は〝ケガの功名〟を指摘した上で、優勝争いにも太鼓判を押した。
朝乃山が連勝発進した。元大関と、次の大関候補の注目の一番。琴ノ若にノド輪で突き起こされる場面もあったが、土俵際を回り込んで逆襲。左上手を取って前に出ると、最後は豪快に投げ捨てた。取組後は「大相撲は番付が基本。僕は(西前頭)2枚目だし、胸を借りるつもりでいきました」と挑戦者の立場を強調した。「三役を狙うには関脇、小結を引きずり降ろさないと、上がれない」と三役復帰へ意気込んだ。
この日の相撲内容について、秀ノ山親方は「朝乃山はしっかり立ち合いから踏み込んでいた。力をつけてきた琴ノ若に攻められても慌てず、相手を見ながら円を描くように土俵を回って、その後の左上手も速かった。自分の形に持ち込んで、前に出て勝つんだという執念が出た一番」と高く評価した。
朝乃山は、決して万全の状態で初日を迎えたわけではない。先場所は左上腕を痛め、夏巡業では右足親指を負傷。番付発表後も申し合いができず、稽古を十分に積むことはできなかった。ただ、相撲は体調や調整過程だけで勝敗が決するほど単純なものではない。朝乃山自身も「万全じゃないぶん〝負けてもいいや〟と思い切っていける」と前向きな言葉を口にしている。
秀ノ山親方は「痛めているぶんを、集中力でカバーできている。集中力が増せば、自然と要所要所の攻め方も厳しくなっていく。逆に万全の状態の時は、勝ちたい気持ちが前に出すぎて焦りにつながることがある。相撲は相手に勝つより、まず自分に勝たなければいけない。朝乃山は、余計なことを考えずに勝負に臨めているのでは」と精神状態を分析した。
その上で、朝乃山の優勝争いにも太鼓判を押す。「このまま自分の相撲を取り切れれば、優勝争いをする可能性も十分にあると思う。以前にも言いましたけど、館内を見れば朝乃山を応援するお客さんの多さがよく分かる。ぜひ場所を盛り上げていってほしいですね」と期待を寄せた。
2日間を終えて役力士の連勝は大関霧島(27=陸奥)だけ。早くも混戦ムードが漂う中、元大関の奮闘に注目だ。












