【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。中古車販売大手「ビッグモーター」による保険金不正請求問題が連日、ニュースを騒がせています。社長だった兼重宏行氏と長男で副社長だった兼重宏一氏が辞任しましたが、その後も次々と問題が発覚。除草剤散布、宏一氏によるパワハラの実態を告発する関係者が後を絶ちません。
社内のグループLINEに書かれた罵詈雑言のスクリーンショットは衝撃でした。過剰なノルマに加え、宏一氏によるパワハラが一連の不正の温床になったのではないかという指摘があります。
今回紹介するのは、企業の不正をテーマにした映画「七つの会議」(2019年)。原作は「半沢直樹」シリーズで知られる池井戸潤さんです。池井戸さんは企業を舞台にした群像劇を描くのが非常にうまい方。本作では主演の野村萬斎さんの脇を「半沢直樹」シリーズでおなじみの片岡愛之助さん、香川照之さん、及川光博さん、北大路欣也さんといった豪華キャストが固めました。
物語の主人公は中堅メーカー・東京建電の営業一課の八角民夫(野村)。八角は最低ノルマしかこなさない万年係長で、年下で課長の坂戸(片岡)から、そのダメぶりを叱責される始末。営業部長の北川(香川)による苛烈な成果主義のもとで社員が疲弊するなか、八角が突如パワハラで坂戸を訴えます。会社への貢献度から坂戸へのおとがめナシと思われましたが、坂戸は左遷されます。不可解な人事の裏には会社によるリコール隠しがあったんです。以前、八角はエリート営業マンでした。会社の闇、そして八角の過去が明らかになっていく中で、働く意義を問いかけていきます。結末はぜひ、本編でご覧ください。
ビッグモーターの問題点は大きく2つあったと思います。1つはパワハラと降格人事を繰り返して周りをイエスマンばかりにしたこと。2つ目は一族経営の難しさ。トップダウンで突き進む力はあるけど、間違った時に修正する力に乏しい。今回はまさに不正の暴走に拍車をかけてしまった。不正をするか、降格を選ぶかを選択させられた従業員の苦痛は耐えがたかったと思います。あんなLINEをもらったら、まともな判断はできなくなりますよね。
本作は上司の顔色をうかがって利益だけを追求し、働く意義を見失ってしまった者たちの物語でもあります。改めて働く意義とは何かを考えさせてくれる一本です。












