女優・三田佳子の次男、高橋祐也被告(43)の5度目の覚醒剤事件で、東京地裁は31日、検察の求刑(懲役2年6月)より軽い懲役2年、うち4か月は保護観察付きで2年間の執行猶予という〝温情判決〟を言い渡した。

 高橋被告は公判で「オオヒナタ」を名乗る50歳前のヤクザから何度も金を無心され、〝押し売り〟されて捨てるつもりだった覚醒剤につい手を出したと主張していた。だが、蛯原意裁判官は「裏付けが乏しい」と一蹴した。

 弁護人が争おうとして却下された、高橋被告の責任能力についても「違法薬物であることを認識しながら、自らの意思で薬効を求めて犯行に及んだものと推認することが可能」とバッサリ。

 高橋被告は覚醒剤吸引の2日後、もともと予定されていた保護観察所への出頭と簡易薬物検出検査をしなかった。そのまた2日後、警察官による被告人方の捜索差し押さえにも立ち会わず、ホテルへ逃亡。こうした行動も、裁判官は〝責任能力アリ〟の根拠とした。

 高橋被告は20歳ごろからあった幻聴が、4~5年前からまた聞こえていると法廷で証言。医師には「神様の声が聞こえる」と告白したというが、こうした主張も裁判官は切り捨てた。

「何らかの精神疾患を有していると診断されることがあるとしても、本件各犯行当時、事理弁識能力および行動制御能力が著しく障害されていたという合理性は生じない。完全責任能力があったと認められる」

 一方で裁判官は、量刑を定めた理由を語る場面で「被告人が反省の態度を示し、あらためて違法薬物依存の治療に取り組むなどとして、更生の意欲を示している」こと、また本来なら息子が面倒みるべき年齢の父親(82)がサポートを確約していることを評価した。

 また、刑務所ではなく〝悪い誘惑〟もある社会で薬物と縁を切る訓練も「必要かつ有用と言える」と、弁護人が最終弁論でしていた主張を支持。服役後に何事もなければ、4か月だけだが早く〝シャバ〟に出られる一部執行猶予刑とした理由を説明した。