“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、2人とも立て続けに誕生日を迎える時期ということで、オダウエダをほめまくってみました――。 

 オダウエダさんは2014年に結成されたコンビで、メンバーは小田結希さん(1995年6月26日生まれ)、植田紫帆さん(1991年7月1日生まれ)の2人。2021年に行われた女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」で優勝したことを覚えている人は多いかと思います。

 もちろん「THE W」で優勝したことはすごいことですが、それ以上に感心したのは優勝した直後に出演したフジテレビの「ワイドナショー」。ここでネタを披露した際、松本人志さんに「決勝のネタよりもおもしろかった」と言わせたのがホントにすごいと思います。

 私が言うのもおこがましいですが、松本さんは言葉選びの天才で、周りに合わせた言い方は絶対にしない。おもしろくなかったら「おもしろくないけどね」と言う人。その松本さんに「優勝ネタよりもおもしろかった」と絶賛されたのは、芸人なら誰でもうらやむような、強く記憶に残る功績だと思います。

 賞レースにおいてオダウエダさんのすごいところは、「優勝するタイプのネタをしていないのに優勝した」という事実です。以前、「THE W」の準決勝で敗退したネタの中に、「キン○マをしこたまバットで打ち続ける」というものがありました。コンプライアンスがうるさくなった昨今、賞レースに不向きなネタなのは明らかですが、現場では笑いの渦を起こしていた。ネタのスキルもあるのに準決勝で自爆する。賞レースへの立ち向かい方が、同じ芸人から見ると頼もしくカッコいいのです。

 シモネタをこよなく愛していて、21年にABEMAで配信された「シモネタGP」でも優勝しております。舞台での笑わせ方が、シモネタにまっすぐすぎておもしろい。公式ユーチューブチャンネルでも攻めた動画をたくさん上げている。「シコっていたら即逮捕 シコり警察、出動」という動画は47万回再生を記録しています。

 この動画は、知り合いの芸人に突然電話し、シコっているかどうかを確認するだけという動画ですが、くだらなくて抜群におもしろいです。昔の深夜バラエティー番組を見ているようで、なつかしくもあり、感動すらしてしまいます。

 先日放送された、日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」で、「オダウエダ植田の七変化」という企画がありました。この企画に女芸人が選ばれるのは本当に珍しい。しかもダウンタウンさんのお2人と現場にいるスタッフを自分の企画だけで1人で笑わせるというのは大変なこと。この仕事、オファーが来ても断る人がいるほど、過酷な企画なんです。

 この番組では、七変化の中の1つに三浦マイルドさんが登場するシーンがありました。マイルドさんは「ドッキリ」とだけ伝えられ、目隠しをして登場。植田さんがマイルドさんに告白するという設定でしたが、目隠しを取るとダウンタウンさんが目の前にいて、頭が真っ白になります。

 植田「三浦マイルドさん、ずっと好きでした。付き合ってください」

 マイルド「え、え…ごめんなさい」

 植田「誰が断ってんねん! 誰が断ってんねん! さっさとこいや、時間かかって」

 マイルド「…」

 こんなふうにマイルドさんの対応力にダメ出しする、という見せ方で盛り上げました。最後は松本さんが「にしても、平場激弱やな」とツッコむことで大盛り上がり。実はこれは計算された構成で、マイルドさんの返しがうまくいかなかったらめちゃくちゃにダメ出しをする。うまくいったらそれはそれで盛り上がる。どっちに転んでも得しかない見せ方で現場の笑いを取ったんです。

 しかも植田さんは、この企画で歴代6位にランクイン。女芸人では渡辺直美さんに次ぐ2位になっていました。体を張り、シモネタをやり、ダウンタウンさんとも渡り合う。「お笑い芸人はおもしろいことをする」という、当たり前のことにまっすぐ取り組んでいるのがオダウエダさんなのです。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。