歌舞伎俳優の市川猿之助(47)の救急搬送事件で、捜査当局は両親が摂取したとされる向精神薬のパッケージを追った。ところが、猿之助が事件当日、パケをゴミ置き場に捨て、管轄のゴミ処理業者が通常通り燃やした可能性が浮上。当該業者は「ゴミバンカ」に入れられれば警察側の要請でも回収できないと説明した。
薬物のパケを追え――捜査当局の狙いの一つだ。
発売中の「週刊文春」によると、猿之助は自身のハラスメント疑惑を「女性セブン」に報じられることを悲観し、18日午前0時、東京・目黒区の自宅で大量の薬物を持ち出した。自身がかねて処方されていたものとみられる。それを闘病中だった父で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(当時76)、母親(75)が摂取。猿之助は薬物のパケを自宅近くのゴミ置き場に捨て、自身も摂取したという。
「捜査当局がこれを押収できれば解析して、猿之助さん、両親の誰の指紋が付着しているかが明らかになり、誰が主体的に摂取しようとしたか端緒をつかめます」(捜査関係者)
一方で事件当日の18日は、猿之助の自宅エリアは可燃ゴミの日だった。管轄のゴミ処理業者が通常通り燃やした可能性が出ている。
猿之助の自宅エリアを管轄するゴミ処理業者、都内のゴミ処理施設を管理する団体の双方は、救急搬送事件の取材は応じられないとした上で、可燃ゴミが回収、焼却されるまでの一般的な過程を説明。それによると、ゴミ収集車が各地でゴミを回収するとゴミ処理場に搬送。すぐに計量して「ゴミバンカ」と呼ばれる集積所に貯蔵され、クレーンで攪拌(かくはん)、焼却という流れになる。焼却は回収当日になる時もあれば、翌日になる時もある。
ただ、可燃ゴミがゴミバンカに入れられた時点で、警察側から重要証拠が含まれるとして回収を要請されても絶対NGで断っている。ゴミバンカは一般的に深さ10メートルほどもある上に、ゴミから有害物質が漏れ出ている恐れがあり、人が立ち入るのは危険だからだという。
捜査当局が薬物のパケを押収できるタイミングは、2回しかなかったと考えられる。1つは事件当日の18日、猿之助のマネジャーからの119番、110番通報を受けて臨場し、自宅内で薬物摂取の可能性を直感してそのパケを見つけ出すこと。もう1つは自宅内を捜索しつつ、ゴミ処理場に急行し、ゴミバンカに入れられる寸前で奇跡的に回収すること――だ。警視庁が両親の司法解剖の結果、向精神薬中毒で亡くなった疑いがあると明らかにしたのは事件翌日の19日で「やはり間に合わず、すでに焼却された可能性が高いのでは」(テレビ局関係者)。
事件の真相を知るのは猿之助しかいない。当人の供述に頼らざるを得ない捜査は難航する可能性もある。












