熊本LOVEで頂点まで突き進め! ボクシングWBC世界ミニマム級暫定王者の重岡優大(26=ワタナベ)が、単独インタビューに応じた。弟の銀次朗(23=同)もIBF同級暫定王者となり、史上初めて兄弟で同日に同階級の世界王座を奪取する快挙を達成。優大は7ラウンドKOで快勝したウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)との王座決定戦にまさかの辛口自己採点をしつつ、郷土愛から〝兄弟対決〟まで胸中を激白した。

 ――世界王者になって現在の心境は

 優大 あまり実感はないというか…。今は「早く切り替えて練習をしたいな」っていう感じです。

 ――試合を振り返ると

 優大 反省が多いです。結構、会場にのまれてしまったので…。俺って、気持ちの持ち方でリングでのパフォーマンスが変わってくるタイプなんです。そういう意味で下手で試合中、ずっと硬かった。だから納得いってない、というか。

 ――自分に厳しい

 優大 今までも、勝っても反省点が明確にある試合をしてから、ひと皮むけることができた。だから今回もここから成長できる予感がします。答えが分かっているので。「場の空気にのまれる」という経験をして、その理由をかみ砕いていったところに原因がある。今はその原因が分かっているんです。次までに改善できるので、同じミスはしない。やるべきことは、ベルトにふさわしいメンタルを持って(試合に)臨めるようになること。そういう意味で楽しみです。内容以上に得るものが大きかったので。

 ――今大会直前に対戦が流れた正規王者パンヤ・プラダブシー(タイ)との統一戦に向けては

 優大 今年中にやれると思うんで。今回も試合10日前くらいまでパンヤを想定して練習してましたから、早くシバキたいです。今回やっていても勝ってたんですけど、それよりもっと盛大に派手にやれると思います。

 ――故郷・熊本への郷土愛を度々口にする

 優大 自分でいうのもなんですけど、俺と銀(銀次朗)は友達に恵まれて、地元にいっぱいいるんです。近所の人も、みんな応援してくれるし。もう「熊本の匂いだけで最高!!」みたいな。空港に着いたら家まで車で20分くらいなんですけど、いつも冬でも窓を開けて〝熊本の風〟を感じながら帰るんです。

 ――試合後は毎回帰省するとか

 優大 そうですね。というか、試合後にしか帰らないようにしているんです。「お盆だから」とか「お正月だから」とかもなし。試合をやって、成し遂げたら帰っていいみたいな。何かをしなくたって、熊本にいることがご褒美です。

 ――まさか世界王座そのものではなく、世界王者として熊本に帰ることが目標だったのでは

 優大 そうです(断言)。銀とも試合数日前、「早くベルト持って、熊本に帰りてえな」みたいに話してましたから。

 ――王者になった4月16日は、7年前に発生した熊本地震の2日後。当時は拓殖大1年生だった

 優大 すごく心配で、発生から数日後に熊本出身の先輩と福岡まで飛んでレンタカーで水を持って行って、実家の近所の自分も通っていた小学校に、ボランティアに行きました。家も倒れたりヒビが入ったりしていたので、みんながつらい時期でしたよね。

 ――だからこそ、少しでも熊本に力を与えたい

 優大 そうですよ。熊本の人たちは大好きですから。初めて会った人でも(出身が)熊本って聞いたら大好きです。

 ――同日にIBF同級暫定王者になった弟・銀次朗の存在は

 優大 ずっと一緒に練習して、楽しいことも、つらいことも一緒に経験してきましたから。横を見ればいつもアイツがいる。それだけで全然違いますよ。俺の涙を一番見ているのもアイツだし、喜んでいる姿を見てるのもアイツだし。逆も一緒みたいな感じです。

 ――では、兄弟対決での王座統一戦は…

 優大 できないですね(笑い)。殴れないし。無理すぎて笑えるっす。

☆しげおか・ゆうだい 1997年4月16日生まれ。熊本・熊本市出身。中学1年でボクシングを始め、高校4冠、拓大で全日本選手権優勝とアマチュアで活躍。アマ戦績は91戦81勝(20KO)10敗。2019年に拓大を中退して、弟の銀次朗に続き同年10月にプロデビュー。WBOアジアパシフィックミニマム級王座、日本同級王座を獲得。今年4月16日にWBC世界同級暫定王座決定戦に勝ち、世界王者となった。プロ戦績は7戦7勝(5KO)。160センチ。