俳優の佐野史郎(68)が22日、都内で映画「独裁者たちのとき」公開記念トークイベントに出席した。

 本作は、ロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフ監督がダンテの「神曲」を彷彿とさせる冥界を舞台に、過去のアーカイブ映像をもとにデジタル技術で作り上げられたヒトラー、スターリンら独裁者たちの姿を映し出し、未来を予言する。

 佐野はソクーロフ監督の「太陽」(2005年)に昭和天皇の侍従長役で出演。映画の感想について「面白かったです。監督のお人柄を思い返しなが見ました。繊細な感性と暴力的な部分が同居している。その作風は初期の頃から変わらず一貫している。今回も引き込まれました」と語った。

 本作はロシアによるウクライナ侵攻の年に完成し、物議を呼び予定していたカンヌ国際映画祭での上映が中止となった。

 映画「太陽」の撮影時は「ロシアも割と穏やかで。パブに行くとビートルズのコピーバンドがいましたし自由な感じでした」と回顧。続けて「戦争が始まる前に(ソクーロフ監督が)プーチン大統領と言い合ったということで今の状況がものすごく心配ですね。監督がご無事かどうかということは。政治的な事というより個人的な事です」と言葉を選びながらもソクーロフ監督の安否を心配していた。