元NMB48の近藤里奈の初主演映画「わたしの魔境」(天野友二朗監督)がAmazonプライム、U-NEXT、DMMほか各種サイトで配信され、注目されている。
オウム真理教事件をもとに、実際のオウム関係者や死刑囚の妻らへの取材映像を交え、洗脳の過程を解き明かす作品だ。
主人公は、ブラック企業に騙されて入社し、深い心の傷を負ってカルトに入信する新入社員。主演の近藤は「この映画では実際の元オウム真理教信者や死刑囚家族への取材をもとに、普通のOLが新興宗教にはまり、犯罪に手を染める様を現代風に描いております。たくさんの資料を見て、身近に潜む危険性を私たちが伝えていかないといけないと思いました。天野監督やキャストの皆さん全身全霊でこの作品に向き合いました。ぜひ見てください」と呼びかけた。
フィクションパートと取材パートが交互に進行する構成で、オウム真理教事件を知らない世代やカルトに関心がない層でも理解しやすいようになっている。
脚本、編集も担当した天野監督は「あれだけ多くの人を傷つけた日本史上最悪のカルトをもとに映画を製作するわけなので、あまりドラマチックにしすぎないようにして、面白おかしくしないように注意し、死刑囚の書籍などを参考に、あくまで実際に起きた事件や会話などをなぞる形にしました。ひかりの輪の上祐史浩氏を除いて、オウム関連のドキュメンタリーでよく見かける『定番』の人には、あまり取材しないようにして、若い人や社会一般層にはあまり知られていない人に取材しました」と明かした。
天野氏は、医学系の研究科で分子生物学を学んでいた学生時代に本作の構想を持った。「当時の自分と同じように理系のラボで深夜まで研究に没頭していた悩める学生がオウムにのめり込んでいく姿を見て、それまで全く他人事だと思っていたカルトをすごく身近に感じ、これは多くの人に知って欲しいと感じたことが最初のきっかけでした」(天野氏)
人気テレビドラマ「相棒」(テレビ朝日)で〝シャブ山シャブ子〟を怪演した江藤あやが女性幹部役を演じているのも注目だ。江藤は「この作品を通して、人間が本来持つ純粋さ、弱さ、恐ろしさと真摯に向き合いました。決して人ごとではなく、環境や出会う人によって人生はどうにでも転がってしまう。後世に残すべき映画としてぜひ見ていただきたいです」と話した。