【取材の裏側 現場ノート】元レスリングの世界女王で総合格闘家の山本美憂(48)が「RIZIN.42」(5月6日、東京・有明アリーナ)で、現役最後の試合に臨む。「レスリングのころから、100%自分が打ち込めるという時でないと、試合は出ないというのが自分のルール。MMA(総合格闘技)に対して現役で戦う100%の情熱がないなと感じた」と理由を語った。
昨年、美憂の半生を振り返る連載を担当させてもらった。レスリング時代を含めれば、実に40年もの格闘家人生。私生活を含め、いつも自分の気持ちに正直に生きている人だ。「自由でいいなとよく言われる」と笑うが、決めたからには選んだ道を100%の姿勢で臨むことを自分に課してきた。「やると決めたら周囲を動かしてでもやり遂げる。その代わり、中途半端はダメ」。今回の決断もそのマイルールに従ったのだろう。
美憂がMMAを始める際、弟で格闘技界のカリスマ、山本〝KID〟徳郁さんは反対。それでも美憂の熱意に押され、コーチを務めてくれた。厳しさを知るからこそ、その指導は鬼のようで、練習を終えても顔を見られないほどだったという。
「『そんなんだったら、やめちまえ!』って。ちょっと言葉で言えないくらいの恐ろしさだった」。2018年に41歳の若さで亡くなる直前まで美憂を指導し続けた徳郁さん。その妥協のない教えを体現する最後の機会にもなる。
連載では「黒い喪服じゃノリ(徳郁さん)が喜ばないから」と、徳郁さんのお別れの会にサングラス、へそ出しのヒョウ柄ミニスカで参加したエピソードが好きだった。いつの時代もかっこよく生きている美憂。格闘家人生の集大成となる舞台で100%の戦いに注目したい。













