2006年4月小松島GⅡふるさとダービー優勝、GⅢ優勝3回など中部の主力として長年、活躍しながらも昨年12月、現役生活にピリオドを打った一丸安貴氏(50)の引退セレモニーが11日、名古屋競輪場で行われた。

 若いころは本格先行として鳴らし、徐々に中部でのポジションを上げていった。「GⅠを取るため、日本一になるために、とにかく必死でした。勝つには回る位置が大事になってきます。当時はみんなが今よりピリピリしていたから大変でしたね。それはそれで楽しんでましたけど」と現役生活を振り返った。

 11年からは日本競輪選手会の愛知支部長になり、競輪界を盛り上げようと奮闘してきた。「そのころは業界が落ち目になり立て直しが必要でした。初めてのことばかりだから、それこそ必死でしたよ」。宣伝活動やファンサービスにも積極的に取り組んだ。

 20年に支部長を降りてS級復帰を目指したものの「良くなってきても続かなかったです。ケガや病気もあったし。もう気持ちも足りていなかった」。そして、昨年12月に引退届を出した。「30年近く選手をやってきて日本一を目指したり、業界のために頑張ったり。苦しかったけど楽しかった。次の10年を考えた時、選手を続けるより違うことをしようと思いました。それにはエネルギーがいるのでパワーがあるうちに選手を辞めました」。明るい性格で面倒見も良く、ファンと選手仲間から愛されたレーサーだった。

 次のステージはスタートしている。今年2月、愛知県一宮市内に頭専門のマッサージ店(ぐっすり堂)を開いた。「引退してからオープンまでバタバタでした」。新たな道は一筋縄ではいかないが、表情は生き生きとしていた。