東京都が若年被害女性等支援事業を委託している一般社団法人「Colabo(コラボ)」に住民監査請求がされ、都監査事務局が再調査を都に勧告していた件で、結果報告期限の28日が迫っている。先週の東京都議会ではコラボ問題が取り上げられたが、どんな結論が出そうなのか。
住民監査請求では経費精算の一部に不当な点があるとして、都に再調査するよう指示が出ていたが、「コラボに不正があった」と指摘したわけではなかった。コラボ側も「本件監査においては、なんら違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした」とコメントしていた。
とはいえ、再調査となったので、騒動は沈静化しなかった。住民監査請求を行った暇空茜氏は24日のツイートで、住民監査請求の再調査の通知について「監査請求の監査結果通知に倣って、請求人(僕)に通知されたあとで公表する予定であるそうです」と報告した。
つまり、必ずしも28日に再調査結果が一般に向けて公表されるとは限らないということだ。どのような内容になるかは不明だが、都議会でヒントが出ていた。
21日の代表質問で都民ファーストの会の滝口学都議がこの件について質問し、「公金を投入する以上は公正で理解の得られるものにする必要がある」として、現在の委託ではなく「補助によるスキーム」を提案した。滝口氏は「これにより経費の使途も明確になるので、都民の理解も得やすくなる」と、補助制度のメリットを強調した。
これを受けて、西山智之福祉保健局長は「来年度からは一定の基準に基づいて後押しできるよう、補助制度に向けて国と調整している」と応じた。そもそも委託なのは国の基準に合わせたもののため、国の理解が必要だという。
このやり取りにどんな意味があるのだろうか。都政関係者は「行政としては疑いを持たれないような仕組みにしないといけないが、どんな対策を出しても批判は避けられず、公務員としては責任を負いたくない。都議会で質問が出た内容に沿って仕組みを変えれば、『議会からも提案があったので』と責任を都議会と分散できます」と指摘した。都にとっては〝渡りに船〟なわけだ。
もっとも制度を変えるということは、以前の制度にはよくない点があったということでもある。ここら辺りに再調査結果のヒントがありそうだ。