ボア「DUVET」
1998年、20世紀も終わりに近づいていたころに放送された「serial experiments lain」は、ネットワーク社会を題材とした近未来SFアニメで、いまだに国内外でカルト的な人気を誇っている伝説の作品だ。
そのオープニングテーマに起用されたのが、ボアの「DUVET」。ボアといっても韓国の女性シンガー・BoAではなく、英国のインディーロックバンド。メンバーのうち、ボーカルのジャスミンとギターのスティーブは、ポール・ロジャースの実子。フリー、バッド・カンパニー、そして近年ではクイーン+ポール・ロジャースとして来日公演も行った、ブリティッシュロック界の至宝ボーカリストの子供たちである。
有無を言わせぬ力業で押しまくるオヤジのボーカルスタイルとは180度異なり、ジャスミンの歌声は抑制が利いた、ちょっと陰鬱なもの。この「DUVET」は美しくも深い悲しみに満ちたマイナーなメロディーを淡々としたビートに乗せて静かに歌い上げている。歌詞(もちろん英語)も、私は溺れている、呼吸するのを手伝ってほしい、というような、悲痛なフレーズが繰り返される。どう間違っても聴いて元気をもらえるような曲ではないが、心を揺さぶられることは保証する。
アニメの雰囲気にもこれ以上ないほどマッチしていたが、アニソンということを全く考慮しなくても、「DUVET」は英国インディーロックとして極めて優れた名曲だと思う。伝説のアニメにふさわしい、伝説の主題歌といえるだろう。












