山陽オートの小林啓二杯GⅡ「第3回山陽王座チャレンジカップ」は17日、4日目を開催し、9~12Rで準決勝戦が行われた。

 外来有力候補の鈴木圭一郎(27=浜松)は、12Rで鮮やかなさばきを見せて快勝。4戦3勝2着1回のオール2連対で勝ち上がった。「オーバーホールしてメタルを替えました。さらに持っていく感じが出ましたね。少し跳ねるので、フレームを締め直します」。足周りに調整の余地を残すが、エンジン面は好仕上がりだ。

 この鈴木圭とともに、初日からオール2連対で勝ち上がったのが地元の女子レーサー・松尾彩(33=山陽)だ。初日から3連勝。ハンデが重化した準決勝戦9Rは、1着の大木光(39=川口)に続き、2着入線を果たし、地元でグレードレース初優出を決めた。

 2車並びのゼロHアウト。理想は先手を取っての逃げだったが、スタートでフロントを浮かせてしまい、インコースの田方秀和(52=山陽)に先手を許す。

 道中は果敢にまくりを仕掛けるが田方のブロックに苦しみ、3周回に大木にかわされ3番手まで後退。優出の扉が閉ざされかけたが、5周1コーナーでついに田方をまくり2番手を確保。懸命に大木を追って2着ゴールを果たした。

「スタートで浮いちゃったから、うわ~っと思った。自分のミスです。田方(秀和)さんを抜けないかと思ったけど、滑ってもいいからと思って開けて行きました。やっとまくれました」

 青息吐息のセミファイナルだったが、この難関を乗り切って気持ちはさらに前を向く。「8周戦は初めてだけど、練習で乗り込んで、雨でも晴れでも何も考えずに開けて回るだけです」。結果は後から付いてくるもの。優勝戦もアクセル全開の〝開け開けレース〟でひたすら逃げるだけだ。