日本近代医学の父・シーボルトとその息子たちの生涯を描いた舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」(10~14日)の公開リハーサルが9日、会場の東京・築地ブディストホールで行われた。
一昨年の初演、昨年の再演でシーボルト役は、今年5月に急逝した渡辺裕之さん(享年66)だった。総合演出の木村ひさし氏(55)は「また一緒に仕事しましょうみたいな話もして現場で別れていたので…」。木村氏が監督を務めたホラー映画「貞子DX」(10月公開)でも一緒だった。
また、音楽担当の「爆風スランプ」パッパラー河合(61)は「一緒に渡辺さんと『ファイト!一発!』を何度もやってもらって、それを動画に撮ってワ~ワ~やってもらった」と偲んだ。
息子役の主演・鳳恵弥(おおとり・えみ=41)は、5年ほど前から舞台やドラマで何度も共演し、父子役が多かったという。「なんか俳優って、その時に思った気持ちをその後に引きずったまま、そういう関係性のまま進むみたいなところがあって…。なんで親子みたいな気持ちでいたんですけれども…。でも、そんなお父さんの志を…引き継いでいこうと思っていて…」と涙で声を詰まらせた。
今年のシーボルト役は辰巳琢郎(64)。渡辺さんとは1989年の昼ドラ「夏の嵐」(フジテレビ系)で、高木美保演じる令嬢を取り合うライバルを演じた。妻の女優・原日出子とも酒つながりで仲良し。ただ、渡辺さんとはタイプが全然違う俳優だと自負していて、今回オファーを受けたときは〝え、何で俺なの? どうして〟と戸惑ったそう。
最初は断ろうとしたが「何の拍子かちゃんと思い出せないんだけど〝やっぱりやるべきなのかな〟とどっかで思った」という。ただ「私には多分できないだろう」と、渡辺さんのマネをするのはやめた。その表現の1つが、渡辺さんはかぶらなかった白髪のウイッグをかぶり、ヒゲを付けることだった。
「これを付けると何となくシーボルトの気持ちになるような、乗り移った感じもして、形から入るのも大事かな」と辰巳。ただ、この日は冒頭から付けヒゲが何度も取れてしまい、辰巳も「こんなギリギリまで苦労するとは…」と苦笑していた。天国の渡辺さんがいたずらしたのかもしれない。












