今や見ない日はないというほど普及したフリー素材サイト「いらすとや」の作者が25日、突如“休養宣言”をしたことに衝撃が走っている。同サイトでは、無料で様々なイラストを公開。スーパーのチラシに企業のプレゼン資料、さらには国会のフリップでも使用されるほど親しまれ、その存在感はグーグルやアマゾンなどの“GAFA”に匹敵するとの声もある。それだけに休養を惜しむ声は大きく、今後、意外なところで影響が出そうだ。
いらすとやのイラストの作者である、みふねたかし氏は25日、「9年間(たしか)毎日サイトを更新してきたのですが、ここ数年は他にもやることが増えてほとんど休みがなく、精神的にも体力的にも今のペースで全てをやり続けるのは難しいと感じています」とサイト上で明かした。
今月31日でサイトの更新を停止し、休養に入ると宣言。休養明け以降は不定期更新になるという。
「いらすとやなんて知らない」という人でも、その素材イラストを見たことがあるはず。不快感を与えない、ほのぼのとしたタッチで、時事問題を含め様々な場面のイラストが用意され、誰でもほぼ無料で使用できる。
商店のチラシや宣伝ポップ、自治体の資料にも使われて、ネットはもちろん、テレビ番組でも見かける。最近では新型コロナウイルス関連で、マスクをした人のイラストの需要が高まり、海外で使用されたケースもあった。一体、いらすとやとは何だったのか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏に聞いた。
「今や国民的イラストといっていいでしょう。インターネット文化に足跡を残しました。いらすとやが上手だったのは最初から無料にして、ビジネスにつなげなかったことです。ネットを使ってみんなに役立ってほしいというスタンスがよかった。(ネット百科事典の)ウィキペディアに近いですね」(井上氏)
いらすとやは、みふね氏1人で運営していた。2万5000点もの素材が公開されており、基本的に無料だが、条件によっては有償になる。
また、LINEスタンプなどグッズ展開に加えて、サイトの広告収入があった。イラストを無料で公開していたとはいえ、ある程度の収入はあったと思われる。
日本中に広まったのは無料だっただけでなく、使い勝手の良さもある。今ならコロナ関連のイラストというように、時事ネタに素早く反応。どこで使うことを想定しているのか不明なものまであり、あらゆるシチュエーションを網羅していた。前出の井上氏も利用した際に汎用性の高さに驚いたという。
毎日更新がなくなることでどんな影響があり得るか。
「ある種のロスはあるがすでに数が多い。1つのイラストが複数のパターンに使えたり、イラストとイラストを組み合わせることで新たな意味を持たせられたりする。まるでレゴブロックのよう。これからイラストの更新頻度が落ちるということですが、そうなると既存のイラストでどこまでできるかという発想力が利用者に問われることになる」
まだまだ、いらすとやは不滅といえそうだ。










